表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/46

それから夕食を皆でいただこうと言うことになり、父様、兄様、私、ソニアで食卓を囲んでいる。


「ロベルト様。ミレーナ様は本当に、お綺麗な方ですわね」


「そうだろう?自慢の妹なんだ」


「やめてください」


「あはははは!ロベルトは特に、ミレーナを大切にしているからな!」


そんな会話の中、料理が並べられる。

こちらの食事は洋食ばかり。

これはこれで美味いんだが、たまには和食が食べたいと思う自分がいる。

ま、そんな事到底言えんがな。


「それでは、いただこう」


父様の合図で皆が料理に、手を付け始めた。

スープにサラダ、メインには魚が並んだ。

相変わらず豪勢な食事だ。

しばらく、会話と料理を楽しんでいた。


「うっ!!」


「レーナ!?どうした!?」


しまった……。毒か……?


そう思ったが、身体が動かずその場にたおれた。


「レーナ!!!」


「誰か!!早く医者を!!」


兄様と父様の叫ぶ声が聞こえたのを最後に、意識が途切れた。



……ん?……生きてるのか?

意識は戻ったが、瞼が重く開けれない。

しくったね。こんなことなら、毒も慣らしとくんだった。


「…………だから」


誰かいるな。

声が遠くて上手く聞き取れん。


「……何してん………殺せ……」


不穏な言葉が聞こえたね。

ターゲットは私かい?

しかし、今はまずい。身動きが取れない。


──今回はここまでかね。


「レーナ!!」


「………っ!!?」


助かった。兄様いいタイミングだ。

今までいた奴の気配が消えた。

逃げたか……。

それにしても、一体誰だ?

ミレーナが毒に倒れるなんて、原作に書かれていないから犯人がわからん。

今回の人生では人に恨まれるようなことはしていないはずだが?

ふふっ。だが面白い。売られた喧嘩は買うのが流儀。


「レーナ!レーナ!お前がいなくなったら私は……!!」


「ロベルト、医者は命に別状はないと言っている。あとはミレーナを信じよう」


大丈夫。生き延びてやるさ。

だから、静かにしてくれ。


「……サラ。レーナの事を頼む」


「……お任せ下さい」


兄様と父様の気配が消えた。


「……ミレーナ様……なぜ、このような事に……」


サラ……?


「ミレーナ様……早く目を開けてください……いつものように、サラを呼んでください……」


サラの声が震えている。泣いているのか?

一人の人間の為に泣いてくれる人がいる。心配してくれる人がいる。

ああ。愛されているのだな。


──目が開いたら最初にサラを呼ぼう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ