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事件後

中庭事件があってからというもの、カナリヤが今まで以上に懐いてしまった。

マリアはあれ以降、姿を見ると睨んでくる。

カルロは未だ接触はない。


──このまま平穏無事に過ぎていけばいいが。


今日は学園が休み。

たまには、のんびり過ごすのもいいな。


「ミレーナ様。いくら学園がお休みでも、そんな怠けていたらいけません」


侍女のサラが、お茶を入れながら説教してきた。


「いいじゃない。こんな日も必要よ」


オンとオフを使い分けなければな。

息が詰まる。


「今日はのんびりしようと思ってるの。サラも一緒にどう?」


「私は仕事中です」


相変わらず、お堅いな。


「あっ!忘れてました!ミレーナ様にお手紙です」


「手紙?誰から?」


「ジルベルト・オルランディ様です」


「えっ?」


もしかしてこの間の手合わせの件か?

こんなに早く?

あの男、暇なのか?


「……とりあえず、中を確認しましょ」


「はい。こちらになります」


「ありがと」


中を確認すると、やはり手合わせの件だった。

ジルベルトは団長の息子だけあって、騎士団演習場にも出入りも自由らしい。

そこで、都合が合えば今日にでも手合わせ願いたいと……。


「……オルランディ様は、なんと?」


「この間の園遊会の時、オルランディ様と手合わせの約束をしたの。その日が……今日なの……」


「今日!?」


「ええ。都合が合えば、とは書かれているけど」


正直、今日はめんどくさい。


「ミレーナ様!お早くお支度を!」


「えっ!?行くの!?」


「当たり前です!あの騎士団長様のご子息ですよ!将来を期待された方ですよ!ミレーナ様にはお似合いだと思います!」


あぁ、サラは騎士団長ファンだった。

確かにあの団長なら、惚れるかもな。

それなりに歳は取っているが、男前は衰えない。

むしろ歳を取って貫禄が出た。


「わかった、わかった。支度するよ」


「私もついて行きますから!」


「わかった、わかった」


熱狂的だねぇ。

しょうがない。サラの為に行ってやるか。


──のんびりは出来なかったね。



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