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園遊会にて

兄様と一緒に会場に入る。

会場と言っても、学園の中庭での立食パーティーだ。


「ロベルト!!隣の令嬢は誰だ!?」


「妹!?紹介してくれ!!」


「はぁ?なんで君達にレーナを紹介しなきゃいけないんだ?」


兄様の周りにクラスメイトだろう、人が集まり兄様に色々問いかけている。


──めんどうだから離れていよう。


「おっと!」


離れようと、振り向いたら人に当たってしまった。


「すみません!大丈夫ですか!?」


「いや、大丈夫だ。こちらこそすまない。余所見をしていた」


「何事もなく、良かったです。では、すみません。失礼させていただきます」


「ちょっと待て!」


足早にその場を後にしようとしたら、捕まった。


「……なにか?」


「すまない。名前を聞いてもよろしいか?」


あぁ、そうか。


「名乗り遅れて申し訳ありません。私、セルヴィロ家長女ミレーナ・セルヴィロと申します」


「なるほど、セルヴィロ宰相の……」


さすが父様、顔が広い。


「私はジルベルト・オルランディだ。騎士団長を父に持っている」


こいつがジルベルト……。

学年が違うから、会うことないと思ってたんだがな。


「セルヴィロ嬢の噂はかねがね聞いている。もしよかったら、今度一度手合わせ願いたい」


あまり絡みたくないが、その申し出は嬉しい。

団長を父に持っている為か、ジルベルトもそれなりの腕前だからな。

私の剣が、どこまで通用するか試してみたい。


──いかんな、昔の血が騒ぐ。


「ええ、是非ともお願いします」


「そうか。では、また連絡しよう」


「お待ちしております」


それだけ伝えたかったのだろう、ジルベルトはその場を後にした。


「ミレーナ様!!」


「カナリヤ」


カナリヤが走ってこちらへ向かってくる。

あんな格好でよく走れるな。


「なかなか来ないから、探したんですよ!?」


「ごめんなさい。ちょっと人と話をしていたので」


「あっ、もしかして邪魔しちゃいました?」


「大丈夫です。もう済んだので」


「良かった。ミレーナ様飲み物はいただきました?」


「いえ、まだです」


「じゃもらってきますね!」


「あっ……」


自分で行くからいいと言おうとしたのに、また走って行ってしまった。


「お嬢さん、お話しよろしいですか?」


「……殿下、周りくどい言い方やめてください」


「あはははは、すまん」


「どうしたんですか?他のご令嬢達と、お話は終わったのですか?」


先程見た殿下は令嬢達に囲まれていた。

今のうちに名を売ろうと、みんな必死だ。


「お前も令嬢だが?」


「私はいいんですよ。殿下に名を売るほどでもないですし」


「名など売らずとも、既に見知った仲だからな」


やめてくれ。見知った仲から外してくれ。


「私より、美しいご令嬢ばかりですよ?婚約者探すにはうってつけじゃないですか」


「お前は、ほんとに……」


「あっ!殿下!何レーナに近づいてるんですか!!」


あぁ、兄様に見つかった。めんどくさくなるぞ。


「いいじゃないか、お前のものじゃない」


「私の妹です!!私の許可を取って下さい!」


「なぜお前の許可がいる?私は婚約者候補なんだぞ?」


「たかが候補でしょ!?そもそも、候補なんて許してません!」


「大体、お前はな……」


ギャーギャー!!


──あぁ、喧嘩は他所でやっておくれ!





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