創造神の言いくるめ
【キャラメイクが完了しました。チュートリアルに……
訂正:割り込み要請があるため特殊フィールドに転送します。】
「あなたが累計10人目の生産職プレイヤーよ!おめでとう。」
「ちょっとまってください!このゲーム1億ダウンロードですよね。
発売から三日も経ってるのにたったの十人しかいないんですか?」
「もちろん!物を作る創造は私の専売特許だからね。そう簡単に出来たら困るよ。
今のところ誰一人たりとも生き残ってないから覚悟してて。」
「専売特許って……。あなたは何者なんですか?」
「見てわからない?創造神よ。驚いたかしら?」
ゲームにダイブしてやっとキャラメイクが終わったと思ったら、
こんなことになるなんて。
どうやらとんでもない茨の道を選んでしまったようだ。
「10人目なら何かあるんじゃないですか?」
「別に何もないわよ?一つお願いがあるだけ。」
「なにもないんですか。」
わざとらしく肩を落として続ける。
「それでお願いって何です?」
「試作の生産職チュートリアルを受けてほしいんだ。一時間ぐらいでできるから。」
「チュートリアルにしては異常に長いですね。報酬は?」
「ない。」
「それじゃ。失礼します。」
「ちょっと待って!特別に私がギルマスのギルドに入れてあげるわ。
もし仮に普通のチュートリアルを受けたとしても大変だよ?
生産職なのに戦闘させられてものすごいことになるんだから!
あなたにとっても悪い話じゃないでしょう?」
「それならやってみますか。」
「よかった。早速、チュートリアルを始めるわよ?」
返事を待たずに視界は暗転する。
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茨の道も悪いことだけではなさそうだ。