ありふれた告白風景
こんなに短いのに2時間ぐらいかかった。最終的には異世界系とかも書きたいけどまずは短編で練習します。あと、家にいるのが意外と疲れる。はよ、コロナ収まって欲しい。
夕暮れ時、一人の女が空き教室のドアをゆっくりとスライドさせ中に入ってきた。そのことに気づいた男は読んでいた本を閉じ、鞄の中にしまい、口を開いた。
「小林さん、あなたに言われたとおり空き教室で一人で待っていたけど、僕にどんな用事があるの」
かなり長い時間待たされていたからだろうか、男の声には若干の疲れと僅かな不満が感じ取れた。だが、小林は男のそのような感情には一切気を留めず、頬を西の空と同じ赤色に染め、男への思いを言葉にする。
「在原海斗君、あなたのことが好きです。私と付き合ってください」
この告白の言葉を聞いた途端、疲れや不満といった感情は一片も残らず吹き飛んだ。女に告白されるのは在原にとって初めてのことである。
慣れていない。だからか、在原の心と顔は別々の感情を描き出した。前者には女に告白されたことへの喜び、後者には小林が自分に好意を持ったことへの疑問が表れたのだ。心の中を見ることは人間にはできない。つまり、在原の抱く二つの感情のうち一つは伝わらない。そう、喜びの感情は小林には伝わっていないのだ。
だからか、小林は「海斗君、私はダメなのかな‥‥‥」と今にも消え入りそうな声で言葉を漏らした。
「自分で結果を決めないで。僕はまだ何も言ってないよ」
「言ってないのは分かっているのよ。でも、あまり嬉しそうに見えないからそんなことを考えてしまうの‥‥‥」
この言葉を聞いて、感情がうまく伝わっていないことを悟った在原は告白された時に生まれた喜びと疑問を可能な限り穏やかな声で小林にふわりと伝える。
「嬉しくない、なんてことはないよ。告白されて嬉しかったよ。でも同時に疑問にも思っている。どうして、僕のことが好きなのかと」
「『どうして』なんて言われても上手く伝えられないわよ。好きだから好きとしか言えないのよ。だって本当に好きなんだから。」
小林の声は在原の穏やかなものとは打って変わって、言葉では上手く言い表せない激しい思いが孕んだものであった。その声を聞いた在原の心には恋慕の情が生まれた。そして、生まれた想いを伝えるべく在原は動き出す。
「僕のことを本気で想ってくれてありがとう。僕の想いはこうだよ日和」
在原は日和に顔を近づけ、そっと唇にふれた。この瞬間、夕焼けが二人の頬を赤く照らした。
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