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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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穴を掘って立てこもったまでは良かったのだが、空気穴を設置することを忘れていたため、すぐに外にに飛び出した。


ちょ、ちょっと危なかった。


実は殴ったあと勢い余ってを装っていたけど、本当は足がカグガクしてて倒れ込んだだけってのが本音だったりする。


MPが尽きかけたもんだから、仕方ない。

お祓い系はヤバいのね。理解した。


元凶の黒服をチラッと確認すれば気を失っていたので、アセナさんにお願いして元の場所に戻ってもらう。


黒服の様子から聖女様の居場所はだいたい分かったので、再度ブラックシャドウへの依頼を変更する。


なんだかんだで、ずっと居てもらっちゃってごめんよ。これで最後だから。


「全く問題ございません。」


そう言ってもらえると助かります。

じゃ、今回は帝国の動きだけでオッケーってことで、あと出来れば定期的に連絡がとれるようにしたいんだが。


「承知いたしました。上に確認して次回にお会いする時までには何とかします。」


おお、ありがたや、ありがたや。

そのうちちゃんと上の人にもお礼をしにいかないといけませんかね。


「その旨もお伝えしておきます。」


よろしくお願いします。

とりあえず、だいぶ情報もゲットできたしそろそろ移動を開始しますか。


その前に、今回の救出作戦に参加するかどうかみんなの意見を一応聞いとこうか。


みんなの回答は。


「もちろん参加させていただきます。」

「参加。」

「参加します。」

「参加するっす。」


・・・ですよね。知ってた。


でも、今回は申し訳ないけどわたしの指示で動いてもらうことが絶対条件だけど、それでもいいかと念を押すがみんなの答えは変わらなかった。


えっと、エリーザさんとミーナさんは?


「もちろん参加致します。」

「私も、参加させてください。」


おお、心強い。


よし、そうと決まれば早速馬車に乗って出発だ。

移動しながら、情報の整理と作戦会議じゃぁ!


ブラックシャドウに別れを告げ、わたしたちは出発した。


ちなみに黒服は、アセナさんが咥えて運んでくれてます。


馬車の運転は、最近訓練の成果でようやく一人でも御者が出来るようになったガルくんと指導係のレオくんにお任せした。


成長が目に見えて分かるっていいなぁ。


町には明後日の昼頃到着予定なので、その間に色々と話し合う。


話し合った結果立てた作戦は。


教会への侵入方法はわたしがエリーザさんが連れてきたメイド見習いとして潜り込む。


以上。



・・・・・



いや、だってまだ情報少ないし。

あんまりガッチガチに決めても、ね。


ノープランてすごく大事だから。


なので、今回は男性陣は基本待機です。


「それは流石に認められません。」

「ダメ。」


流石に、待機になるとは思わなかったようで、シルバくんとフェルくんから抗議の声が上がる。


だまらっしゃい。

今回は指示に従ってもらうって言ったんだから、こっちがダメです。


ま、待機中もやることあるし、教会から脱出したあとは色々やってもらうつもりだから。ね。


しぶしぶといった様子で黙る2人に、なんかよくわからないけど勝った感じがして見えないようにガッツポーズをした。


ちなみに、ミーナさんも黒服の組織の人間に見つかるのは良くないというエリーザさんの意見により、男性陣と同じく待機組だ。


何もないとは思うけど、何かあったら残していくアセナさんを頼るように言い聞かせておく。


男性陣は心外だと言わんばかりの様子だが、こんだけの美人さんやぞ。心配するに決まってるでしょうが!


ポンポン。


一人でヒートアップしているとエリーザさんに肩を叩かれる。


ハッ!


ミーナさんを見れば顔を真っ赤にして、困っていた。


うん、そんな美人さんもいい。


「「・・・」」


わたしの締まりのない顔に、男性陣はジト目で見てくる。


・・・ごほん、ごほん。

わたしはわざとらしく咳をして誤魔化すのが精一杯だった。




わたしが一番の危険人物だった。




日も暮れ始めたのでキャンプの準備をする。


「うわぁぁ!」


ようやく黒服が目を覚ましたようで、相変わらずガン見で見張っていたアセナさんに驚いて叫び声をあげていた。


「ヒィッ!」


ばたん。


叫んだと思ったら、わたしと目が合うと気絶した。

おい、失礼だな。化け物の次は見ただけで気絶かよ。


面倒くさいので、そのまま放置して夕飯の準備に取りかかる。


辺りにいい匂いが漂ってきたころ。


「うわぁぁ!」


黒服がまた目を覚まして、叫んでいた。

相変わらずアセナさんが至近距離でガン見してたからね。


「ひっ!」


流石に今度はわたしと目があっても気を失うことはなかった。


チッ、ご飯の準備が完了した直後に目覚めるとは。

タイミングのいいやつめ。

しかし放置してご飯を食べる。


食べ終わったあと縛り上げ継続中の黒服に、ご飯を食べさせてあげるようにフェルくんにお願いした。


流石にご飯を食べさせないほど鬼畜ではない!


「わかった。あーんして。」

「あーん。・・・うぅっ。ぐすっ。」


黒服は泣きながらご飯を食べていた。

ちょと情緒不安定過ぎやしないか。




ま、人のことは言えないんですけどね。アハハハハ!




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