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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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感動の別れから3日。

いよいよ明日はレティサラ教国に入る場所までやって来た。


ガルくんは初めてカーザを出るわけだが、出発してから毎日楽しそうにみんなから戦闘訓練を受けていた。


てっきりおじさん達はわざと負けて下についていたと思ったが、どうやら実力で打ち負かしたようだ。


本気で勝負して負けたんじゃ多少の横暴も従わざるをえないわな。


わたしだったらものの数分で根をあげる訓練を、泣き言ひとつ言わずやるんだから偉いものだ。


ただやはり少し寂しさや不安があったようで、旅の初日はガルくん用に渡した枕が少し湿って戻ってきた。


昨日、今日はカラカラだったので彼のなかでいろんな思いが少づつ整理されているのだろう。


時間をかけてゆっくり、自分の中で消化していけばいい。



しかし、問題はわたしだ。

相変わらず範囲の狭い魔法を練習したり、投石に力をいれているが一向に上達しない。


「姉御、それ本気でやってるんすか?」

"こら小僧、ユウリはいつでも本気じゃ。どれだけ練習しようとも全くもって上達せんがな。"

「・・・」


だんだんガルくんから姉御のとしての威厳がなくなっている感じだがするが、ずば抜けた回復魔法と聖母(仮)のお陰で何とか保っているのが現実だ。


聖母(仮)の説明をしたときのあのキラキラとした目はすでになく、わずかな威厳ですらいつまでもつことか、不安しかない。


いや、別に威厳なんか必要ないけどなんかね…


ちなみに、みんなの奴隷が解除された理由を聞いたら案の定シルバくんが推測だが回答をくれた。


「術者をを倒したことも解除の要因ではあると思いますが、ユウリ様の聖母としての力も少なからず関係しているとかと。

白魔法は極めると呪いを打ち消す力があると言われていますから、これにより奴隷が解除されたの可能性もあると思います。」


マジか。もし本当なら白魔法、スゲーな。


さらに呪い以外の様々な状態異常にも利くはずとのことだったが、出来れば使う日が来ないままでいて欲しいと密かに思った。



さて明日から横断することになるレティサラ教国は創造神を主神とした教会の総本山がある。


何やらみんなは緊張しているようだがわたしからしたら、だからどうした。である。創造神がなんぼのもんじゃい。


まぁ教会には行くつもりだが、別に総本山の教会に行く理由もないし、そもそも当分教会には鑑定以外でいくつもりはない。


祈ったってケビンが出てくるだけでろくなことがないからだ。

言いたいことは山ほどあるけどな。


新しい国に少しワクワクするが、国境を越えて最初の町まで距離があるそうなので明日も野宿決定。


そろそろお風呂に入りたい。

教国にはお風呂があるとのことを祈りながらわたしは眠りについた。











ユウリは知らない。


あのプッツンして失神した夜、あまりのストレスにより魔力が暴走しかけたがそれを創造神であるケビンが強制的に止めたことを。


その際の様子がとんでもなく神々しく、聖母感が半端なかったことを。


また、フウジの裾野で発動したエリアヒールはフウジの山をも範囲として発動し、湧き出した効能の良い温泉もまたエリアヒールの影響だったりすることも。


そして、各所に丸投げした温泉宿と闘技場は依頼を受けたゼロスさんの一族とブラックシャドウ、お姫の力により想像以上の規模と造りになることを。


発案者として売り上げの一部をもらうことになり、初めはこれでお金に困ることはないと喜んだが、段々とそれが莫大な金額になり頭を抱えることになるのはまだ先の話。




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