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一番重要なこと確認するのを忘れていた。
出発寸前のブラックシャドウ諸君に待ったをかける。
みんなの奴隷状況を確認してなかった。
いやなんか色々あったし、みんなあまりにも普通だったのですっかり忘れてたわ。
場合によっては元凶と思われるヘビ男の力が必要になるので連れていかれては困っちゃうので急いでみんなを鑑定する。
・・・あれれ?奴隷の人が誰もいないぞ?
理由は分からないが、全員解除されてるのならオッケーだ。
なんで解除されたとかは後でシルバくん辺りに聞けば分かるだろう。
確認したいことが完了したので、ブラックシャドウには出発していただいた。よろしくお願いします。
「ご依頼承りました。」
ちなみにゼロスさんやイチヤさんに手紙を出したが内容はイチから温泉宿を造って経営してみませんか?というざっくりしたものだったりする。
まぁゼロスさんのことだから乗ってくれるとは思うし、商売人魂が燃える内容だと思いたい。
商売のプロにお任せと言う名の丸投げをしただけなので断られる可能性が大だが、ノリノリで受けてもらえたらいいなと淡い期待を抱くくらいは許して下さい。
ま、何かあれば今後はブラックシャドウが連絡を取り持ってくれるからなんとかなるなる。
今後も連絡含めブラックシャドウにも色々お願いしたしね。
しかし、わたしたちはずっとカーザに居ることはできない。
だからこそ、お願いしたゼロスさんたちに必要以上のご迷惑をお掛けするわけにはいかない。
という事で皆さん、カーザの常識はその他の国では非常識。
色々考えを改めてもらうことになるかと思いますんでよろしく。
とりあえず、すぐに決闘だってのは今後は原則禁止します!
「「「ブーブー!」」」
そこかしこからブーイングの嵐が起こる。
ですよねー。
だがこっちも譲れないわけで、止まないブーイングにイラッとしてしまいちょっと脅しをかけてしまった。
これからこの国にわたしの恩人が来るわけだが、その人に何かあってみぃ。
ただじゃ、おかんからなぁ!
「「「ははぁ。承知しました。」」」
とひれ伏すみんなにノリが良すぎて不安しかないが、一応返事してくれたし、大丈夫だと思いたい。
っていうか、今までのこと全部国家ぐるみの演技だったんじゃないかとわたしはにらんでいるが、別に真相を知りたいとは思わないのでスルーしておく。
ただここまでかなり強引に進めておきながら急に不安になったので、おじさんとゴリおじと少年を呼び出して確認する。
すっごい今さらなんだけど、今この国のテッペンてわたしなのかな?
「「「えっ?そうですけど?」」」
この質問に対し、満場一致でイエスの返答を頂く。
そもそもそうじゃなかったら、ここまですんなりと話は進まないと怒られた。
で、ですよねー…
いや、面と向かってお前がテッペンだ!って言われてなかったなぁと思いまして。
それで他にもいくつか確認したいんだけど、例えばテッペンをテッペンが指名したら、そいつがテッペンってことになる?
テッペンを連呼しすぎて、自分でもよく分からなくなるわ。
でも、ちゃんと言いたいことは伝わったようで。
「今までテッペンが居なかったから分かりませんが、テッペンが決めたことなら大丈夫じゃないですかね。」
おう、そっか。大丈夫そうか。
それじゃ今からこの国のテッペンは今から少年てことでお願いします。
だって少年はクーデター起こされた王国の子孫とかでしょ?
「はっ?えっ?俺がっすか?!」
「「・・・」」
わたしの発言に少年は心底驚いていたようだが、おじさんズはあちゃーとなっていた。
どうやら、やらかしてしまったようだ。
て、てへぺろ。
シーン…
ごめんなさい!と言ってわたしはその場からダッシュで逃げた。