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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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今度は夢を見ることはなくスッキリと目覚める。


しかし、スッキリと目覚めたわりには体が重いと思ったらまたもや少年がわたしのお腹で寝ていた。


おい、わたしのお腹は枕やない言うたやないか。


でも、わたしの半分優しさでできているので今度は振り落とすことはせず肩を揺すって起こす。


耳元で"はよ起きんかいワレェ"囁いてあげれば直ぐに目を覚ましてくれた。


「すいやせんでしたっ!」


震えながら土下座して謝る少年に過ごしイタズラが過ぎたなとちょっとだけ反省していると、なんか臭い。


視線を動かした先には湯気が立ち上る川があった。


それは温泉の川だった。


どうやら、寝ている間に運んでくれたようだ。

ありがとう、みんな!


どれどれ湯加減を…あっちぃっ!

手を入れたら、めちゃんこ熱かった。


あかん、とても入れる温度やない。


温泉を目の前に、罰ゲームでもアウトな温度では入ることができるわけもなく絶望しかなかった。


しかーし、わたしがそんな事で温泉を諦めると思ったか!

ブァカめ!


わたしは温泉の脇に土魔法で穴を堀り、温泉の川と掘った穴の間に水路を作る。


水路をったって熱々の温泉の川の一部が穴に少し溜まったところに水魔法で少しずつ水を投入すれば、最適温度の温泉の完成だ。


わたしは服を早速服を脱いで、即席温泉に浸かる。


ふわぁ。はい、最高です。

温泉だけでも最高だが、場所が山の中腹なので景色がいい。


あ、皆さんラッキースケベが発動したんじゃないかと思いませんでした?


安心してください。土魔法で壁作りましたから!

流石に人前でいきなり服なんか脱いだら犯罪ですから。


心ゆくまで温泉を堪能して外に出ると、皆さんお揃いで。


「ユウリ様、そこにお座りください。」


何故か説教を受けました。

これまた解せん。


説教を右から左に流していると気付いたのだが、なんか怪我人減ってない?


どうやら、気のせいではなくこの湧き出た温泉はかなり高い湯治の効能があることが判明。


あちこちで簡易温泉が出来ていてぎゅうぎゅうに人が入っている。

壁が無いものが多いので色々と困っちゃう。

皆さんもう少し恥じらいを持って下さい。


でもまぁ、喧嘩ばっかりするやつらが多いこの国にはピッタリの効能ですな。


いかん。話がどんどん脱線しちゃう。

いい加減本題にはいるとしますかね。


気を取り直して、ヘビ男くんを連れてきて貰らうようお願いしたがその前にわたしに会いたい人が来てるとのこと。


中々進まへんやないかい…


フェルくんに案内されてわたしに会いたいとやって来たのはまさかのブラックシャドウ。


なんとこの短期間に上層部の説得に成功したそうで一刻も早く報告するためにわざわざここまで来てくれたそうだ。


おお、説得できたんだ。良かった、良かった。

そして、ナイスタイミングだブラックシャドウ諸君。

君たちに協力してほしいことと、お願いしたいことがあるんですよ。


まずヘビ男くんをブラックシャドウの前に連れてきてもらい会ってもらう。


「ブ、ブラックシャドウ!何故こんなところに?!」


ブラックシャドウをご存知だったようで、ヘビ男くんが明らかに動揺している。


「お前こんなところで何をしている。」


そして、ブラックシャドウもヘビ男くんを知っていたようだ。

さらにこの男の雇い主に心当たりがあるとか。


その雇い主は


「「帝国の呪術師」」


ブラックシャドウとわたしの声が重なる。


あは、当たっちゃった。


「「「っ!?」」」


みんないろんな意味で驚いたらしく、言葉が出ないのをいいことにどんどん話を進めることにする。


ブラックシャドウにはヘビ男くんの他にもそういう奴がいなかい調べて欲しいことと、この国から連れ出して欲しいとお願いする。


お金は要らないと言われたが、金貨10枚を強制で渡しておく。

君たちとは対等でいたいからね。


貸しを作ると後が怖そうだとは言わないでおく。


一応強制奴隷に気を付けるようにと注意しておくが、今の彼には多分出来なくなってるはず。


なんでそんなこと分かるのかって?

聞いて驚くことなかれ。


勘です!


ま、念のために口くらいは塞いでおくことをおすすめしておくよ。


追加で、ゼロスさんと息子のイチヤさんに手紙を届けて欲しいのよね。


内容は温泉に浸かってるときにひらめいたんだけど、この国に温泉宿と闘技場作ってもらおうと思ってね。


いやだって、こんなにみんな喧嘩好きならいっそのこと見世物にして好きなだけ戦ってお金にしなさいな。

そんで見に来てくれる人の為に温泉宿作れば、ガッポガッポよ。


しかも、温泉は傷にいいと来たもんだ。

いくらでも戦えるじゃん。やったね!


ただそのガッポガッポを実現するために、商売のプロにお願いしないと。


あ、闘技場はブラックシャドウ諸君の方が得意かな?

あんまりひどい経営しないなら任せたいんだけど。


「お任せください!」


まぁ頼もしい。

わたしの助っ人と上手くやってやってくださいね。


利権を独り占めしようなんてしたら、許しませんで。

と、言うことでブラックシャドウ諸君よろしく。


トントン拍子に進む話にカーザの人たちは着いていけてないようだ。



あとでちゃんと説明してあげるからね。




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