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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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目が覚めると、わたしはアセナに寄りかかっていた。


そして目の前には泥だけで傷だらけで転がっている人たち。


で、ですよねー。

ボコスカ殴りあっててあんな勢いよく流されたらそうなりますよね。


MPが完全に回復していないのは分かる。


しかし、全部わてのやったこと。

きっちり落とし前着けさしてもらいます。


アセナに寄りかかったまま『エリアヒール』を発動すると、もう一度意識を失った。





今度は夢を見た。


そこは薄暗くてよくない感じがする場所だった。

奥の方に光が見えたのでそちらに向かってみる。


奥にたどり着くと、そこはいかにも呪いの儀式とかをしそうな禍々しい部屋だった。


そして、その部屋に居たのは帝国で見た呪術師だった。


呪術師は、なにやら人の形をした水晶に向かって話しかけている。


呪術師が何を話しているのか分からないすごくイヤな感じがしたので、止めようとして咄嗟に手が出た。


背後から後頭部めがけて拳を振り下ろすが、わたしの拳は呪術師に当たることなくすり抜けて水晶よ頭の辺りに当たりヒビが入った。


「なんだ?何故ヒビが!?あぁ、せっかく溜めた力が!」


突然水晶にヒビが入ったことで慌てる呪術師。

しかし、わたしは呪術師よりも水晶のヒビから出てきた黒い煙に釘付けだ。


これ、絶対ヤバいやつやん。

夢のはずなのに身の毛のよだつリアルな感覚が襲う。


その黒い煙は一塊となってわたしに向かって来たので、とっさに払うしぐさをすれば消えてしまった。



そして、煙が完全に消えると同時に目が覚めた。



目が覚めたのはいいのだが、体が重くて思うように動かない。


まだ、寝てるのかいな?

と思ったら少年がわたしのお腹を枕にして寝ていた。


こら、わたしのお腹は枕やないで!


恥ずかしさから無理矢理体を動かすと少年が転がり落ちた。


「痛ててて」


頭に手をあてながら起き上がった少年と目が合う。


「・・・うぁーん!姉御ぉ!」


号泣された。

えっと、なんで泣かれてんのかさっぱりぽん何ですけど。


あたふたとなだめていたら、少年の泣き声を聞いたみんなが集まってきた。


「目、覚めて良かった。」

「少年はユウリ様が目を覚まさないのは自分のせいだと責任を感じておりましたよ。だからあれほど魔法の使い方に注意するよにと言っていたではないですか。」


す、すみません。

ちなみにどれくらい寝てましたかね。


「水魔法を使ってから丸1日経ってますね。」


わぉ。それは確かに心配するわ。

未だに泣きじゃくる少年に心配してくれてありがとう、ごめんよと声をかける。


「ま、魔法は万能じゃないんだ、死んだら助けてあげられないって言ったのは姉御じゃないですかぁ!」


そう言うとポコポコとわたしのお腹を叩いた。


ぐふ、ブーメランとはまさにこのこと。

ぐうの音もでないので少年のお叱りを甘んじて受ける。


だが少年よ、そんなにお腹を叩くんじゃない。

しかも、だんだん強くなってきてるから!

ちょっと待って!このままだと、HPが底をついてマジで死んじゃうから!

ストップ!誰か助けてー!


"そこまでにせい。"


そんなわたしの心の声が通じたのかアセナが尻尾でそっとかばってくれたので、天に召されることはなかった。


アセナさんありがとう。この世界に来て一番ヤバかった…


さて戯れはここまでにして、色々説明を聞こうとしたらみんな一斉に話し始めた。


ちょ、みんないっぺんに話しかけないで。

わたし、聖徳太子じゃないから、順番に話して。


待って、話す順番を決めるために決闘だとか止めろ!


おい、クロ◯ズの呪い、いい加減自重せぇや!!





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