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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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1日かけて立てた作戦が大将を倒したことにより、修正が必要かと思ったが元々力でねじ伏せるってことだったので全然問題なかった。


ただ、いつまでもボロボロのまま転がしておくわけにもいかないのでちゃちゃっと『エリアヒール』をかけていっぺんに治療する。


相変わらずの規格外な範囲と効果に、何故かおじさんたちが驚いていた。


そういえばおじさんたちは気絶してたから『ヒール』のこと知らなかったか。


ま、そんなおじさんたちは放っておいて。

目が覚めた大将一派を観察すると、なぜ傷が治ったのか分かっていないようでみんなボケッとしていた。


「凄いっす!あんなに簡単に負けたことなんてないっすよ!どうやったらそんなに強くなれるんすか!?」


そんな中、1人の少年がアセナに近より懸命に何か話しかけていたが、よっぽど鬱陶しかったのか寝ていたはずのアセナがわたしの方にやって来る。


こら、面倒なもんを連れてくるんじゃありません。

もとの場所に戻してらっしゃい。

アセナに向かってシッシッとする。


「お前、なんだよその態度はっ!」


何故か少年に起こられた。解せん。


しかし、わたしはみんなと違ってクロ◯ズの呪いにかかってはいないらしく、そんなこと言われたとしても「やんのかコラァ!」とはならなかった。


だがしかし、周りの沸点は相変わらず低いようで、アセナは歯をむき出しにして威嚇し、みんなは自分の得物に手を伸ばしていた。


はい、皆さん落ち着いてください。

相手はレオくんと同い年くらいか、下くらいじゃないですか。ピリピリしない。


みんなを宥めたところ、何故かさらに少年はヒートアップして色々言ってくる。


そして、少年もまた一戦を越えてしまった。


「いきなりしゃしゃり出てきて、調子のってんじゃねぇぞ、クソババァ!」


はい、アウトー。


この国のやつはすぐに人のことをババァ呼ばわりしくさってからに。


少年よ、ちょっとそこに座って、お姉さんとお話しようか?



世の中、力だけじゃないってことを教えてあげようね。



結果。

根はいい子のようで、懇切丁寧にお話ししたら分かってくれました。


「生意気なこと言って、すいませんでしたっ!」


少年ただけでなく何故か広場いる全員が正座していて、震えているようだけど。

みんな足が痺れちゃったのかな?


なんか、お話ししてるときにカミナリが物凄く鳴ってたような気がしたけど、どうしたんだろう。

とにかく、近くに落ちなくて良かった。


お話しが終わったころを見計らっておじさんが冷や汗をかきながらやって来る。


「ボソッ。姉御。その目の前にいる若いのが大将です。」


えっ、そうなの!?

そういうことはもっと早く言ってよ!


衝撃の事実を聞いたわたしは一歩間違えたら、ボコボコにされてたかもしれないと戦慄し、お腹がなった。


・・・みんな、朝ごはんにしよう。


食べ終われば、フウジの山の裾野に向かって出発するわけだが、朝から想定外のゴタゴタにより押してしまってかなりヤバイ。


作戦の修正はいらなかったが、旅の行程は修正をせざるを得ない。


焦っているわたしたちに、少年大将が恐る恐る声をかけてくる。


「姉御、その…、決戦の日は明日じゃなくて明後日です。」


その言葉におじさんの方を見れば、テヘペロってされた。


その瞬間アセナって叫んだのはしょうがないと思うし、ビックリしたアセナにちょっと噛られたことは甘んじて受け止めて欲しいと思います。


おじさんのテヘペロなんか誰得やねん。


ちなみに、お話しのあとから少年大将はわたしのことをおじさんと同様に姉御と呼ぶようになり、みんなと違って極妻の呪いにかかったりしないか密かに不安に思ってたりする。


日にちの間違えが発覚し強行軍はなくなったが、少年大将御一行がわたしたちの舎弟として加わることになったので、


わたしが大将になりました。


何故こうなったのか釈然としないなか、大所帯になった仲間たちと共に決戦の地に向かって出発する。



わてがこのアホな抗争にけじめ着けさしてもらいます。


皆さん覚悟しぃや!





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