表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
72/210

72

作戦会議は熾烈を極めた。


なんとなくそんな気はしていたが、この国のやつはほぼ脳筋であることが良く分かった。


何でもかんでも戦って、勝ったものが偉いとか、正しいとか、弱肉強食にも程があるわ!


100年もクロ◯ズ状態だったのも納得ですよ。


決戦が行われることになっているフウジの山の裾野へ向けて移動しながら1日中話し合った結果。



力で全員をねじ伏せるという作戦と呼べるのか怪しい作戦に決まった。



「この国で姉御たちに勝てるやつはいませんよ。」


実際に戦ってみて、確信したそうだ。


呼び方については触れない。もう好きに呼んだらえぇ。


でも1対1ならいざ知らず、カーザ連合国でいうところの舎弟の数が違いすぎるから、袋叩きにあって終わりでじゃない?


「カーザの人間たるものそんな卑怯なこと、あり得ないですぜ。」


そう自信満々に断言された。


・・・さいですか。

おじさんたちの実力がどんなもんだか知らないし、カーザの人間だからとか全くもって信用できないわ。


すでに後悔が嵐のように押し寄せてきてまっせ。


心が折れそうだが、腹をくくったじゃないかと自分を叱咤して日暮れも近づいてきているので、よさげな広場で夜を明かすことにする。


予定より作戦会議に時間がかかってしまい、明日は強行軍が決まった。


今日と同じペースだと間に合わない可能性があるということだが、そもそも全員ぶん殴らなくてもテッペンが決まったあとにそのテッペンをぶん殴れば良くないかというナイスアイデアが浮かんだ。


「そんなセコいこと、カーザの人間は絶対に認めませんよ。」


えぇ…何がダメなのか全然わかんない。

精神的疲労の限界により、わたしはご飯も食べずにすぐに寝ることにした。





翌日、夕飯を食べなかったことが仇となりあまりにもお腹が減って目を覚ませばビックリ。


広場には昨日より驚くほど人が増えていた。


そして、どいつもこいつも傷だらけでボロボロだった。


何故かわたしの側で正座している、シルバくん、フェルくんにレオくんとイビキをかいて寝ているアセナまでもボロボロとまではいかないが傷だらけではないか。


おい、人が寝てる間になにがあった。


何故か無傷のおじさんに聞く。


「姉御が就寝したあと、みんなで夕飯を食ってたら俺らと同じく決戦の地に向かってる大将の一人がこれまた同じように夜を明かすために広場にやったて来たんす。」


それだけなら良かったのだが、場所を明け渡せと言ってきたので断固拒否したらそれなら決闘だとなり、3人+1匹対100名で勝ち抜き戦が勃発。


結果はアセナが全員倒したそうなのだが、ここで勝敗に難癖をつけたヤツがいたようで、あれよあれよと乱闘に発展し、その結果が現在のこの状況とのこと。


ああ、おじさんたちだけが異常な思考回路の持ち主なんだと心のどこかで期待していたのに…なんてことだ。


おじさん、疑ってごめんよ。

おじさんが言ってたこと本当だった。

でも、こんなリアルガチいらない。


ちなみに、3人が正座していたのは勝手に戦ってしまった事について自主反省中だっからということ。


「「「申し訳ございませんでした。」」」


そしてやられた大将は、おじさんを倒して奴隷にした張本人なんだと。


うん、アセナはいつものことだからいいとして、他の3人は普段こんなことで戦ったりしないのに。


この国では男はみんなクロ◯ズみたいになる呪いでもあるのかね。






だがしかし、これだけのことが起きたってのにずっと寝てたことわたしが一番怖いわ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ