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わたしの暗殺を依頼した人物。
それは・・・
宮廷魔術師の長のおじいちゃんだった。
てっきりお姫様とか呪術師辺りだろうと思っていたので驚いた。イヤなサプライズだよ。
そもそも、お互いWin-Winな条件でさよならしたはずだったんちゃうんけ?なんやねん。
裏の組織に理由とか詳細は必要ないそうでなぜ暗殺に至ったのかは分からないとのこと。
ただ、暗殺後には金を大量に所持しているはずたから回収してこいという注文があったそうだ。
うん、それってどう考えてもお金が理由ですね。
あのときは、おじいちゃんも早く追い出したくてお金を渡したけど、後になって惜しくなったとかそんな感じだろう。
そもそもすでに全額使ってたらどうするつもりだったのか。
行き当たりばったり感が物凄い。
なんか、おじいちゃんが窓際に追いやられてしまった理由の一端を垣間見た気がするのは気のせいだと思いたい。
とりあえず、色々憶測なことが多いが黒幕はわかった。
次の問題は、捕まえたブラックシャドウ諸君をどうするかだ。
ちなみに、失敗したらどうなるか聞いてみる。
「良くて残りの人生は不自由な生活を送ることになり、最悪冷たい土の下で永遠の眠りにつくことになるでしょう。」
つまりは、良くて半分コロコロ、最悪全コロコロってことですね。
・・・この世界コワッ!
なんか、今更ながらに良くここまで生きてこられたなとしみじみしてしまった。
前回の盗賊のように突き出せば懸賞金とかもらえないかとコソっとシルバくんに聞いてみる。
「確かに裏の世界ではブラックシャドウは有名ですが、幹部クラスならまだしも明らかな下っぱではあまり期待できないかと。」
聞いといてなんだが、なんで裏の世界に詳しいかはこの際スルーしておいて、どうしたもんか。
思いきってブラックシャドウ諸君に選んでもらうことにする。
選択肢は2つ。
このまま捕まって突き出されるか、依頼失敗で解放されて組織から逃げ回るか。
わたしの中にはこの場でコロコロするという選択肢はないので、この2択となった。
今後の人生を決める大切な選択を、すぐに答えろというのは可哀想なので、シンキングタイムをプレゼント。
その間わたしたちもちょろっと話し合ったが、ぶっちゃけた話どうでもいいという結論になった。
ただ、まだ命を狙ってくるようなアホなことをしてくるようなら問答無用でボコボコにしてしかるべき場所に突き出すことにした。
まだ、ブラックシャドウ諸君は話し合っているようなので、わたしは久しぶりの大きなアセナのモフモフを堪能し、3人は見張りをしながら何か話している。
クリーンをかけたアセナのお腹に顔を埋めて幸せを噛み締めていると、決まったと声をかけられたので答えを聞くことにする。
もう少し、堪能したかったな…
そしてブラックシャドウ諸君の出した答えは、
提示した選択肢のどちらでもなかった。