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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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フラグを立てたと思ったが何事もなく旅は進み、ついにベルニア帝国最後の町に到着した。


お城があった帝都の壁も凄かったが、この町の壁はさらにデカくて強固な感じだ。


町を抜けると次はカーザ連合国という国で、長い間国を治めるものがおらず、なにやら色々と物騒だったりするとかしないとか。


うん、それならこの壁なのもうなずけるってもんですわ。

よく見たら町の人も厳つい人が多いような気がするし。


町行くおばちゃんに聞き込みをしてまずは宿に向うことにする。


「おや、いい男。宿を探してるって?任せな。とっておきのところを案内してやるからね。」


うちのメンズたちはなかなかのイケメン揃いのため、おばちゃんは宿に案内する間、丁寧に色々と教えてくれた。


特におばちゃんの好みはシルバくんのようだった。


わたしは会話に参加せず、荷台の影からこっそり見守りながらタジタジになっているシルバくんを見てめっちゃニヤニヤしていた。


そんなわたしに気がついたのかシルバくんと目が合ってしまったので急いで隠れた。

だってめっちゃ笑顔だったけど、目が笑ってなかったんですけど。

バレてまんせように!


そんなこんなでおばちゃんのとっておきの宿に到着すると、ゆっくりすることはせずまだ日があるうちに買い物に出かけることにした。


「ユウリ様、ちょっとよろしいですか。」


道中シルバくんにはやっぱり見つかっていたようで、お小言をいただき心が折れそうだった。


アセナをモフモフすることで辛うじて耐えましたけどね。


"そんなにモフられたら、わらわ、ハゲるぞ。"



買い物も終わり、宿に戻ると早めにご飯を食べてこれからのことを会議する。


明日はいよいよ新しい国に突入することになるが情勢が不安定なので、のんびりはせず早々に抜けるということで満場一致。


あまり大きな国ではないし、ゼロスさんのお子さんもいないとのことなので寄り道はせず、問題がなければ3週間もあれば抜けられる予定だ。


連合国を抜ければ、次はレティサラ教国という国で、この国は安定していてゼロスさんのお子さんの一人がお店を開いているそうな。


そうなんだと言ったときのみんなの顔は呆れていた。

いや、国とか分からないし仕方ないやんけ。


まぁ、地図が読めないのでそもそも見てないってのもあるが余計なことは言わない。


最近、みんなのおかん度が爆上がりしていて何かあればすぐお小言をもらう。

ちょっと露天の商品を見ようと離れようものならすぐにどこに行くのだとうるさいこと、うるさいこと。


なんだか心休まる暇がないなと感じる今日この頃です。


とりあえず、これからの予定も決まったことなので明日からの旅に備えて早々に寝ることにした。





朝、今日はなんの夢も見ずに目が覚めた。


この世界に来てからというもの、安眠が続いていて大変助かります。


ご飯を食べ終われば、いざ国境へ。


召喚されてから約2ヶ月。

色々あったけど、これ以上何事もなく過ごせますように。

無理なのは分かってますけどね。

可能な限り平穏にお願いします。

イベントとかいりませんから!


そんな事を心のそこから祈りながら、わたしはベルニア帝国からおさらばしたのだった。





国境を越えてしばらくした頃、順調に進む馬車の荷台でわたしにモフられていたアセナが急に起き上がり真面目な顔になる。


そんなアセナの様子にみんなはすでに臨戦態勢だ。


このままでは、以前の盗賊に襲撃されたときの二の舞になる可能性があるので、急ぎお馬様と馬車を離し馬車はアイテムボックスに収納する。


そしてわたしは何故かお馬様に乗り、大きくなったアセナとみんなに囲まれるようにして待機することに。


なぜお馬様に乗らなきゃアカンねんと思っていたら…


突然わたしたちに向かって矢が飛んできたのだった。




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