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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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少し間があいてしまい、申し訳ありませんでした。

これからも頑張ります。

空がオレンジ色に染まった頃、目的地の町に到着。


なかなかに大きな町だ。


時間も時間なので、まずは馬車が置ける宿を探さなくちゃなぁ。

馬車は町中を進み、たどり着いたのはずいぶん立派な宿でシルバくんがまず先に向かった。


馬車で待っていると、一人の男性が近づいてきた。

荷台で一緒にお留守番していたフェルくんが一瞬身構える。


「本日はご利用いただきまして誠にありがとうございます。」


男性はお店の人だった。

やだ。身構えるから、なんか無駄に緊張したんですけど。


「こちらでお手紙をお預かり致します。」


はい?どうゆうこと?手紙?


一人?が乱舞しまくる。


「ゼロスさんの手紙。」


え?もしかして、この宿ってゼロスさんのお子さんのお店なの?!


「知らなかった?」


・・・はい。


なんとこの立派なお宿は、ゼロスさんのお子さんがやってる宿で、どうやら分かっていなかったのはわたしだけだった。


慌てて男性に手紙を渡すと、馬車は宿の人が専用の場所に運んでくれるとのことなのでわたしたちは宿に向かうことに。


ちなみにアセナはお馬さんと一緒ではなく、わたしたちと宿に入ってもいいと許可をいただきました。


中に入ると広いホールにオシャレなカウンターがあり、併設されている食堂はちょっとしたレストランのようだ。


ヤバい、この宿一泊いくらよ。


一人心のなかで冷や汗が止まらない状況だが、部屋に案内するということでとりあえず着いていく。


案内されたのは最上階のどう見ても宿で一番いいお部屋だった。


顔がひきつるのを感じたが、まだ宿の人がいるので笑顔でお礼を言って部屋に入った。


ホホホ。ありがとうございました。


扉が閉まった瞬間、シルバくんに詰め寄る。

ねぇ、ここの宿泊代いくら!?


「無料だそうです。」


無料。


あまりにも信じられなかったので、自分で頬をひっぱたいた。


突然のわたしの奇行にみんなはギョッとして大丈夫かとあれこ確認する。


「ユウリ様、突然どうなされたのですか。何処かおかしなところでもあるのですか?」


おい、頭を念入りに調べるな。

一度話し合おうじゃないか。


ということで、せっかくなので豪華な部屋を堪能すべく、ソファに座ってお茶を飲みながら話し合うことにした。


ソファはめちゃくちゃフカフカで備え付けのお茶はとっても美味しい。


落ち着いてきていざお話し合いをしようとしたとき、部屋のドアがノックされた。




レオくんが対応してくれて、入ってきたのは男性で、誰やねんと思ったら、この宿の店主でゼロスさんの一人目の息子さんで、わざわざ挨拶に来てくれたのだ。


「この度はお立ち寄りいただきましてありがとうございます。

私、ゼロスの息子でイチヤと申します。父から話は伺っておりまして、ご訪問を待ちわびておりました。」


実はわたしたちがゼロスさんの家に滞在中に先回りして連絡してくれていたようで、町に来る日を待っていたそうだ。


根回しが完璧すぎて怖いわ。


その際に丁重に迎えるようにと伝言があったそうで。


「父の命の恩人に宿代などいただけません。どうぞ気兼ねなく宿を堪能くださいませ。」


そう言って息子さんは出ていってしまった。


すでにソファとお茶は堪能させもらったけど、

気兼ねなくとか無理だからね。


宿代は結構と言われたがお金は支払おうと心に決めて、夕飯前に久しぶりのお風呂に入り、ご飯を食べて明日のことも踏まえて再度お話し合いするはずがソファに座ったら三秒でスヤァしてしまった。


それもこれもソファがフカフカなのが悪いんじゃぁ!





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