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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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現在わたしは村の人たちから恐れられている。



どうしてこうなったのか…

時はわたしが散策に出た頃まで遡る。



わたしが散策に出て少し経った頃、一番最初に異変を感じたのはアセナだった。


"そなたら、急いで村にむかうのじゃ!わらわは先に行っておるぞ!"


小型化を解いて飛びしたアセナに、急にどうしたのかと戸惑っていた3人だが直後フェルくんも異変を感じとった。


「なにか近づいてきてる。村に行った方がいい。」

「ユウリ様も戻ってきませんし、すぐに向かいましょう。」


急いで村に向かうと、すでにアセナが2頭の大猪と戦闘中だった。


村の一部には被害が出ており、3人はパニックになっている村人たちに声をかけ、怪我人の救出をしながらわたしが巻き込まれていないかを確認してまわる。


救出はフェルくんとレオくんに任せシルバくんはすぐに村から少し離れた場所に移動して怪我人の処置を開始することにした。


救出が一段落するとフェルくんはシルバくんの手伝いをするために移動し、レオくんが取り残された人がいないか捜索しているところにわたし参上。


とりあえずわたしを皆がいるところまで誘導してレオくんは再度村に戻り、わたしは重傷の人から順に『ヒール』無双した。


ギリギリ間に合ったようで死人は出なかった。

本当に良かった。


アセナの様子とレオくんがなかなか戻ってこないことに不安になり、駄々をこねてフェルくんと一緒に村に戻ると大猪がレオくんを襲わんとしていた。


させるか、ボケェ!

とっさに石を拾って大猪に向かって投げると運良く目にジャストミート。


悶絶している隙にレオくんを救出。


その時聞こえたアセナと猪の会話がちらっと聞こえた。

その会話からなぜこんなことになっているのかを悟ったわたしは渾身のパワーを込めた水魔法をアセナを含めて3頭にお見舞いしてやった。


""なんだ?!急に水が降ってきやがった。冷てー!""

"だれじゃ、わらわの邪魔をしおって!"


"""あっ・・・"""


水の塊をモロに食らったアセナたちは頭が冷えたようで、ヤベッみたいな感じでばつが悪そうにしている。


とりあえず、そこに並んでもらえます?

びしょ濡れの3頭を整列させ、一応話を聞いてあげることにする。


まず、大猪たちから。

あんたらは、どこのどなたかな?


"あっしらはアセナ姐さんの子分でして、山では大変お世話になっておりやして。"

"その姐さんが人間に奴隷にされたと聞いたもんで。"


""助けにきたんです。""


どうやら、盗賊事件のあと解散した狼の一匹が事のあらましを大猪に話したのだが、大猪たちは最後まで話を聞かずにアセナが奴隷にされたのを助けようと飛び出し、狼の話を頼りにたどり着いたのは人間の村。


確かにアセナの気配もあるということで、ここにいる人間に無理矢理奴隷にされたと勘違いをして突撃してきたのだ。


じゃぁなんで、アセナが姿を現した時に止まらなかったのさ。


"そりゃぁ、人と関わることなくずっと引きこもりで、自分たちぐらいしか仲間がいないはずのアセナ姐さんが"

"村人を守るような行動を取るのは操られているからだと思って、目を覚まさせようとしてうっかり"


""手が出ちまいました。""


"決して、日頃の恨みを晴らそうとか。"

"家を壊すのが楽しくなったからでは。"


""ねぇんです。""


ふーん。

じゃ、次はアセナさんどうぞ。


"別にわらわは人間にうっかり騙されたことがバレて恥ずかしかったわけでわないぞ。村にこれ以上被害が出ないようにと必死に止めようとしておったのじゃ。別に途中から暴れるのが楽しくなってしまった訳ではなぞ!"


ほー。

言いたいことはそれだけかな?



なるほど、なるほど。

要は勘違いしてお互い暴れてるうちに楽しくなった結果、村を破壊して怪我人を出したということですね。





こんの、バカ毛玉どもっ!!!



ゴロゴロ、ドンガッシャーン!

ギャーッ!!!!





よく叱られることを雷が落ちると言うが、わたしの言葉とともにタイミングよく雷が落ちた。



突然の轟音と光に一番ビックリしたのはわたしで、突然の出来事に気を失ってしまった。



そして目が覚めると、魔物の暴走を止め、助からないと思われた人たちを治し、雷を操ったということで村人たちは感謝すると同時にビビっていた。



いや、確かに暴走を止めて怪我は治したのは本当だけど、雷は違うから!たまたまだから!


お願いします、そんなに怯えないで!




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