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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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その後も旅は順調だった。


最初に立ち寄った村から2日後には次の村についたし、さらにその3日後にはその次の村に着いた。


この間に魔物と何度か遭遇して戦闘に参加。


"追いつめたぞっ。"


魔物の第一発見者はアセナで、気配を察知すると馬車から飛び降りて獲物をいい感じに馬車の方に誘導してくるのだ。


だけどいきなり飛び降りたときは焦った。

慌ててあとを追おうとしてフェルくんに羽交い締めにされたのはいい思い出だ。


今考えればいくらゆっくりとはいえ、動いてる馬車から飛び降りるとかわたしには無謀ですわ。


身体を張って止めてくれてありがとう。

今日も元気なのはフェルくんのおかげです。


そして、アセナが誘導してきた魔物に石を当てたりと地味に戦闘に参加させてもらった。


かなり、弱いものいじめ感が半端なかったけど。

こっちもちょっとでも攻撃が当たればどうなるかわからない弱さなので仕方ない。


投石に関しては戦闘を重ねるほど当たる確率と飛距離がのびたような気がするのでもしかしたらレベルアップしたかもしれない。


ただ進めば進むほど村の掘っ立て小屋がボロボロになっていった。


ま、かたっぱしからクリーンをかけてピカピカにしたので何も問題ございませんでしたけどね。




そして、さらに3日後。

到着したのはゼロスさんが引退後に住む予定の村だった。


建築途中の家を見たが、村にあるどの建物よりも大きいし立派だった。


ゼロスさんはのんびり過ごすつもりだなんて言っていたがそれは無理だろうなと思う。


こんな大きな家を建てる人が注目されないわけがないし、ゼロスさんの性格からしてじっとしてられないだろう。


村長として君臨する姿が安易に想像できる。


この村の小屋もかなりボロっていたので、クリーンをかけてあっという間に快適空間に変身させる。


クリーンをかけ終えるとわたしの仕事は終了。

夕飯まで随分余裕があるので村を少し散策してきます。


「夕飯までにはお戻りください。」


もちろん、そのつもりです。いってきまーす。


小屋を出て祠でお祈りして畑の作物などを観察。

どうやら豆や芋、小麦などを育てているようだ。


農業に詳しくないからよく分からないけどね。


そろそろ戻ろうかなと思っていると、村の人たちの家が建ち並ぶ方角から何やら音が聞こえてきた。


まだ夕飯までは時間があるし、音がする方に行ってみることにする。


近づいていくにつれて聞こえてきたものは悲鳴と怒号、そしてなにかが壊れるような音だった。





全速力で走ってたどり着いた場所ではアホみたいにデカい猪2頭と大きな狼が戦っていた。


あれ、ものの◯姫かなと現実逃避していると肩をつかまれる。


ギャーーッ!!


驚いて振り向くとレオくんだった。


「ユウリ様、ご無事でよかった。」


この怪獣大戦争は、どう…


「ここは危険です。安全な場所までご案内します。」


お、おう。

レオくんに案内されて辿り着いた場所には村の人たちが集まっていた。


中には怪我もしている人もいるようで、シルバくんを筆頭に動ける人が手当にあたっていた。


レオくんにもろもろの説明はあとで。

シルバくん、重傷の人はいるの!?


「ユウリ様、よくご無事で。ここは軽傷のものだけです。

フェル!ユウリ様をご案内してください!」


「わかった。ユウリ様、こっち。」


重傷者は別の場所にいるとのことでフェルくんが案内してくれた。


到着した場所にいた重傷の人たちはおおよそ10名ほど。


なかなかの野戦病院みたいな状況にこみ上げてくるものを無理矢理飲み込んでわたしは『ヒール』をかけまくった。





ブックマーク、評価ありがとうごさいます。

これからも頑張ります。

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