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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
5/210

5、命の洗濯とはよく言ったもんです

「奴隷を買えばいいんだよ!」


8才の女の子からそんな台詞が出るなんて、この世界本当になんなの。


「アリサ、いいお店知ってるから着いてきて!」


私がドン引きしているのもお構いなしに、アリサちゃんが奴隷を買えるお店を案内しようとしてくる。


やめて!心の準備も出来ていし、いいよなんて一言も言ってないのに本当にやめて欲しい。


それよりも、宿!

日も傾き始めているので寝床を確保したい。


アリサちゃんに、奴隷は明日買いにいくから場所だけ教えてくれてくれればいいと伝え、宿に案内してくれるようにお願いする。


「えー、もうお店に着いたのに。お宿のほうがいいの?」


何故か不満げなアリサちゃんはそれでも私のお願いを聞いてくれた。

チラッと見た奴隷が買えるお店は意外にも明るい雰囲気だった。だとしても!今もこれからも入る勇気がないので宿に向かってもらう。


案内された宿は3階建で、一階は受付と食堂になっていた。


ここで、アリサちゃんとはお別れである。

短い間ではあったが、とても良くしてくれた。


わたしは、お礼として少しのお金と喫茶店でこっそり買ったお菓子をお礼として渡した。


「アリサ、お菓子なんてもらえないよ。ご飯とか一緒にいっぱい食べたし…」


小さいのに立派なことだけど、子どもが遠慮なんかするもんじゃないよと言って渡すと、はにかんでお礼を言ってくれた。


「おねぇさん、ありがとう!」


可愛かった。めちゃんこ可愛かった。

こちらこそありがとう。じゃあね。気をつけて帰るんだよ。


「うん、おねぇさん、またね!」


去っていくアリサちゃんの姿を見えなくなるまで確認して、私は宿に入り受付に向かった。


宿は大部屋と個室が選べるとのことだが、もちろん個室一択である。リスクは減らしておきたい。

朝夕食事つきで、ご飯は一階の食堂に指定されている時間内にくれば食べられるとのこと。


ちなみにこの世界の時間についてだが、元の世界と同じで1日は24時間のようだ。

宿の受付の横に元の世界と同じ様式の大きなのっぽの古くはない時計がおいてあった。

今は16時過ぎで、夕飯は18時から21時までとのこと。

まだ時間があるな。


ちなみに時計の他にも元の世界と変わらない所があった。


なんとこの世界、光源は不明だが照明もあるし、トイレは水洗で各家庭にお風呂はないが銭湯があるそうで。風呂好きとしてはありがたい!

ちなみに、この宿には宿泊者専用の浴場があるとのことで、なんとも嬉しい誤算だった。


長居するつもりはないので、とりあえず一泊でお願いした。


部屋に案内されると、ちょっと固そうなベットとテーブルとイスが備え付けてあるだけの簡素な部屋だった。

不潔な様子は全く、屋根があってゆっくりできるだけで十分です。


夕食の前に早速お風呂に行くことにした。

受付の人に場所を聞いて向かうと、お風呂は宿の裏に併設されていた。


掘っ立て小屋みたいな見た目で、夜、一人ではちょっとご遠慮したい雰囲気だった。

しかし入ってみると中は思っていたよりずっと綺麗で脱衣所もあり、タオルも置いてあって至れり尽くせりである。


もちろん、男女別。


まさに銭湯といった感じで、脱衣所に置いてある篭に服をいれると浴室に向かう。

浴室は5人くらいまでなら余裕で入れるかなといった大きさでラッキーなことに誰もいなかった。

ただ、石鹸は固形石鹸一択だったのは残念だったが文句は言うまい。


体などを洗い、湯船にゆったりと浸かったあとお風呂を後にする。


時計を確認すると17時過ぎ。

夕食まではもう少しあるので部屋に戻ってスキルとやらの確認をすることにした。


いやぁ、やっぱりお風呂は最高ですわ。




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