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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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「ユウリ様、ちゃんと聞いておられますか。」


は、はい。もちろん聞いております。


シルバくんにひたすら説教をくらいながら走ること一時間。

そろそろ町に到着するが、このまま町には入らずにレオくんに衛兵さんを連れてきてもらうまで町の外で一旦待機することにした。


何故そんなことをするのかな。


「狼たちは魔獣ですのでこのまま町に入れないからです。」


テイマーと呼ばれる魔物を使役している人もいる人もいるそうだが、わたしたちは違うので騒ぎになってしまう可能性が高い。


ま、普通に考えてネズミとかウサギならまだしも、人を乗せられるほど大きな狼とか町の中にいたらパニックになるわな。


というか、狼たちはよくいうこと聞いてくれたよ。

ということで、狼たちにはお礼としてお肉を渡してお帰りいただくことにする。


"わらわはいらん。その代わりにわらわもそなたらと旅をさせよ。"


いや、パニックになるから連れていけないって言ったよね。

他の狼は肉食べたらすぐ解散したのに、なんやねん。


仕方ないなので、もう一度丁寧になぜ町に入れないかを説明する。


"ふむ。ならば小さければよいのだな。"


いや、小さければいいって問題じゃ…


反論しようとしたら、狼がみるみる小さくなって最終的に子犬サイズになった。


ちょっと!

どういうことかよく分からないが、めっちゃ可愛いんですけど!


見た目が小さくなっただけではなく鳴き声までガウからキャウになっちゃってまぁ。


抱っこしたよね。速攻で狼を抱っこした。

ああ、シルバくんの説教でささくれだった心が癒されていく。


愛でたおしたあと、どういうことか問い詰めようとしたらレオくんが衛兵さんを連れてきて戻ってきた。


「お待たせしました。」

「この度は盗賊を討伐していただき、感謝致します。申し訳ありませんが今しばらくご同行をお願い出来ますでしょうか。」


あ、一緒に行くのね。

わたしたちは盗賊たちと共に町に向かうことになった。


狼は腕に抱いたままですが、なにか。


「「・・・」」


シルバくんとフェルくんの視線が痛い気がするが気にしない。

バッキャロウ!こんな可愛い生き物を置いていけるわけないだろうが!


わたしの断固たる決意を察してくれた2人はなにも言わない。


正しくは呆れてものが言えないということは分かっているが、わたしにも譲れないものがあるので鋼の精神で気づかないふりをした。


よくわかっていないレオくんは不思議そうにしていて、何故か盗賊たちからは残念なものを見るような目で見られた。


「あんちゃんたち、色々と大変だな。」

「いえ、これくらいどうということではありませんよ。」

「そうか。あんま、無理すんなよ。」

「大丈夫。ありがとう。」


まさかの盗賊たちからの労いの言葉に衛兵さん達が驚いていた。


おい、色々と失礼だな君たち!

しかし、わたしの本能が沈黙していろとささいたのでなにも言わなかったけどね。


衛兵さんの後について辿り着いたのは詰所。


ここでようやく盗賊さんたちとはお別れとなる。


「じゃ、頑張れよ。」


何故かシルバくんたちに向かっていい顔で励ましの言葉をかけ、奥へ連れていかれた。


色々言いたいことはあるが、とりあえず彼らが更正してくれることを祈ることにする。


頑張る方向さえ間違えなければ行動力もあるので、罪を償ったあとはまっとうに生きて欲しいものである。


そして盗賊たちには、金貨1枚の懸賞が懸けられていた。


「あいつらは人こそ殺めていませんが、かなりの数の被害が出ていたので、捕まえていただきまして助かりました。ありがとうございます。」


結構な問題児だったんかい。


一通り話をしたあと、懸賞金を受けとり詰所をあとにさせていただきました。




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