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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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わたしはあまりにも身勝手な主張の嵐に怒りを通り越して呆れてチベスナ顔になった。


「なんだその顔はっ!」


元からこんな顔じゃ。

と心の中で悪態をつき、盗賊たちを無視してこれからのことを話し合うことにする。


これからどうしたらいい?


「ここは一度町に戻った方がよいかと思います。」


やっぱり、そうなります?

で、馬車の方だけど…


「荷台の一部だけですが破損してました。このまま走るとさらに破損の範囲が広がる恐れがあるかと。」


次の町までは…


「無理。」


これにより、感動的な別れをしたばかりだが出発したその日に町に戻ることが決定した。


ぶっちゃけ気まずさしかないんですけど。

あと、ずっとわめいている盗賊たちはどないするん?


「仕方ありません。このまま放置するわけにもいかないので、一緒に町まで連れていきましょう。」


まぉ、また頑張る方向間違えて盗賊に早期復帰とかされたら困るもんな。


「盗賊には懸賞がかけられている場合が多いので、場合によってはお金がもらえるかもしれないですね。」


ほう。賞金とな。


と、いうことで町までご一緒することが決定。


ただ、問題は移動手段である。


ちなみに馬車はアイテムボックスにしまえました。

しまえたのはいいことだけど、アイテムボックス、恐ろしい子。

いい意味でどんだけ入るのか不安になる。


馬は2人乗りが限界なので、必然的に徒歩しか選択肢がない。


「今から歩いて戻るとなると、何処かで野宿をすることにななります。」


盗賊と野宿するのは避けたいというか、絶対に嫌なので何かいい方法はないかな。


「そうですね…」


"あ、あのぅ。"


ビックリした。なんだ狼か。

てか、まだ居たのね。


"良かったらわたらわちが町まで乗せて行くが。"


良く見たら気絶していた狼たちも復活したようで銀色の狼の後ろにキレイに並んで座っていた。

一部は負傷のため横になったままだけど。


「確かに狼たちに乗って移動すれば日が暮れる頃までには戻れるかもしれませんが、またいつ攻撃してくるか。」


そういえば、狼との話を報告していなかったことを思いだし皆に聞いたことを話す。


「確かに人とコミュニケーションがとれるのは高位の霊獣と呼ばれるものであれば出来ますが、基本的にそういった霊獣は人と関わりを持たないはずです。」


でも、人にころっと騙されるようなやつがそんな高位の霊獣でしかも創造神の眷属とか嘘くさすぎるない?


「確かにそうですが。」


もう、今はそのへんの真偽はどうでもいいじゃん。

お言葉に甘えよう。


悩んでる間にも時は過ぎているので、狼たちの助けを借りても間に合わなくなってしまう。


銀色の狼に乗せて貰えるようにお願いする。


"わらわたちに任せておけ。"


人を乗せられるのは銀色の狼を含めて4頭。

残りは森にお帰りいただくことになった。


割り振りだが、お馬様にはレオくん。

銀色の狼にわたしとシルバくん。

残りの狼にフェルくんと盗賊が二人づつ乗る。


盗賊に関しては荷物のように括りつけるかたちになったけどね。


出発前に狼たちの怪我を治すことにする。


「ユウリ様、そこまでなさらなくても。」

「自業自得。」

「元気そうですし。」


でも、襲ったのは好きでやったことではなかったわけだし、これからの乗せてもらうのに傷だらけってのも、ね。


でも、多分今『ヒール』使ったら気を失う気がする。

でもそんな事言ったら絶対に止められるだろうから言わない。


3人に向かってごめんと謝って『ヒール』を発動する。

伝わるかどうか分からないが狼には3人の言うことを聞くように念を送っておく。


"わかっておる。安心せい。"


薄れゆく意識のなか、3人の焦った姿が見えた。


本当にごめん。あとは任せた。





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