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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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ズタボロになっている狼たちの中から銀色の狼が立ち上がる。


みんなが警戒するのでわたしもとりあえず見よう見まねで警戒する。


すると頭の中に直接声が聞こえた。


"人間よ。"


え、このタイミングで神託かよ。

と思ったらどうやら違う。


聞こえた声は銀色の狼の声のようだ。


"降参する。これ以上攻撃はせんから助けてください。お願いします。"


必死のお願いだった。


だとしても、勝手に話しかけるのはやめてもらえます?


どうやら声はわたしだけではなくみんなにも聞こえているようで目が死んでいるのは気のせいかしら。


と、とりあえず武器、下ろそうか。


「「「・・・」」」


みんなが無言で武器を下ろしたことで、わたしたちが戦闘態勢を解いたのが伝わったようで銀色の狼がヨロヨロとこちらに近づいてくる。


良く見るとそんなに大きな怪我はないようで、小さな切り傷がいくつかあるだけだった。

周りの狼たちも似たような状態でどうやら現在絶賛気絶中のようだ。


"この通り、わらわたちにはもう敵意はない。まずは話し合おうではないか。"


わたしたちの前に来た銀色の狼のはお腹を見せて無害であること必死にアピールしながら話しかけてくる。


なんか、寝っ転がって話しかけてくる様子にイラッとしまったのはしょうがないと思う。


ゴホン。気を取り直して。


あ、もうお腹見せなくていいです。

お座りでお願いします。


あ、話し聞いてる間に狼はいいとしても人間ズはイヤな予感がするので縛っておいてもらえます。


「承知いたしました。」


あと、馬車の様子も確認してもらえるかな。


「確認する。」


無事であることを心から祈る。


さて、話とやらを聞こうじゃないか。


・・・色々めんどくさいな、コイツ。

聞いた話をわたしなりにまとめてみる。


銀色の狼は自称創造神様の眷属でかなりの力を持っているため人とコミュニケーションが取れるのだと威張っている。えっへん。


普段は北の山の奥地で暮らしているのだが、神託があり下界に降りてきた。久しぶりでワクワクすっぞ。


たまたま好物のウサギの肉をさっきまで乗せていた人間に貰ったら急に痺れて動けなくなってしまった。アババババ。


動けなくなっている隙に隷属の首輪というヤバい呪具を足首に巻かれ、イヤイヤ従ってわたしたちを襲ったのだが、さっきの暴風で運良く首輪が千切れたそうで晴れて自由の身となり今に至る。ごめんなさい。


ということらしい。


おい、こら。

自称神の眷属がそんな簡単な罠に嵌められて捕まるなよ。


"久しぶりの下界だったもので。"


とか色々言い訳してくるけど知らんがな。


とりあえず、皆に意見を聞こうかな。


「解けや、ゴラァっ!!」


突然怒号が聞こえてビビった。

どうやら縛り上げた人間ズが目を覚ましたようだ。


この人間ズ、どうやらわたしたちが警戒していた噂の盗賊団だった。


「お前らのせいでこちとら、商売あがったりだっ!このままで済むと思うなよ!!」


わお、かなりのお怒りですやん。


盗賊の方々の言い分は。


わたしたちのせいで、盗賊業?が出来なくなったから復讐するのためにより強い魔獣を服従させるため大金払って隷属の首輪を買ったて自称創造神の眷属とやらを捕まえることに成功した。


でも、捕まえるにあたり、かなり危険な魔物が出る場所に行ったので、仲間の何人かが犠牲になったそうだ。


「それも、これも、全部お前らのせいだっ!!」


・・・いや、知らんがな。

ってかこの数日でそこまで出来るのすごくね。

でも、完全に努力の方向間違えてんじゃん。


この、バカちんどもがっ!!!





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