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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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ゼロスさんたちが完全に見えなくなったあとも、わたしは一人号泣していた。


年をとると涙腺がバカになるから困ったものです。


現在、馬車を運転しているのはフェルくん。


「もう少ししたら街道から外れる。」


今はまだ街道を走っているがそろそろ極秘ルートに入るようだ。


「このペースなら今日は野宿ですが、明日には村に到着できるかもしれませんね。」


通常ルートで歩きだった場合には5日はかかるとこのことでかなりの短縮だ。


このペースなら、東の国まであっという間なんじゃない。

待っててくださいね。お米様!


ようやく涙も止まったので早速だが仲間になってくれたレオーネさんの呼び方について議論することにした。

だって仲間になったのにいつまでもさん付けって変だし、他人行儀な感じがするしね。


ついでに様付けのわたしの呼び方についても再度議論しようと思う。

あ、ちなみに涙のせいで目がパンパンなのは勘弁してね。


シ「決めるのは構いませんが、ユウリ様に関してはこれ以上の変更は出来かねます。」

いやいや、わたしも譲れません!

レ「確かに私もユウリ様以外の呼び方は出来ないです。」

え?な、なんで!?

フ「無理。」

そ、そこをなんとか。


白熱した議論の結果。

レオーネさんはレオくんと呼ぶことになりわたしの様付けは継続となった。


レオくんの呼び方はすぐに決まったのに、わたしの呼び方について以前と同じようにお互い譲らず平行線をたどった。

せっかく新しくレオくんが入って2対2に持ち込めると思ったのに3対1という、より数的不利により結局様付けのままとなった。


なぜなの、まったくもって解せないんですけど。


顔には出さなかったけど、悔しかった…

今度はわたしのことを様付けしない女子を仲間にしてやんだから。みてないよ!


ちなみにみんなの呼び方はこうなりました。


わたし:フェルくん。シルバくん。レオくん。

シルバくん:ユウリ様、フェル、レオ

フェルくん:ユウリ様、シルバ、レオ。

レオくん:ユウリ様、シルバさん、フェルさん。



ふと外の様子を見てみれば、すでに極秘ルートに突入していたようで周りは木々が生い茂っていた。


聞こえるのはパッカパッカという馬の蹄の音と、木々が風に揺れる音、そして時おり聞こえる鳥のさえずりだけだ。


実にのどかな馬車の旅である。


それもこれもゼロスさんのお陰だ。

町の方を向いて感謝の意味を込めておててのシワとシワを合わせて拝んでおいた。


修理と改良により荷台のガタつきは随分小さくなっている上、金に糸目をつけず購入したクッションは実にいい働きをしており今のところお尻の痛みのも全くといっていいほどない。


お尻的には最高です。

あまりの快適さと心地よい揺れによりうつらうつらしてしまう。


「そろそろお昼ご飯と馬の休憩のために街道に戻りましょうか。」


シルバくんの声に、あらもうそんな時間なのねぇ。と思っていると、


急に馬車が止まった。




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