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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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出発の朝。体調はすこぶる快調。


ゼロスさんとレイアさんとの最後の朝ごはんを食べて家を出ると、レオーネさんが馬車とともに待っていた。


ここでわたしはとある問題に気づく。


馬車の運転できる人いなくない?


しかし、何にも問題なかった。


シ「私もフェルも出来ますので、ご安心を。」

レ「私も出来ます。」


うん。わたし以外みんな運転出来るそうです。

本当にうちの子達って優秀なんだから。

でもみんなが多才すぎてツラい(涙)



そして、ついにゼロスさんとレイアさんとお別れの時。


本当に何から何まで良くしてもらって、感謝しかないです。


ゼ「こちらこそ、短い間でしたがご一緒出来て良かった。また、必ずお会いしましょう。」

レ「美味しいご飯作って待ってるわね。」


もちろんです。嫌だと言っても必ずまたお邪魔しますから。

お互い泣きそうなったが、グッとこらえて抱き合い再会を約束した。


馬車は改良のおかげで以前乗ったときより揺れが小さかった。

うん。これなら1日くらいならなんとかなるかもしれない。


ゼロスさんとレイアさんは町の門まで見送りに来てくれた。


ゼ「お気をつけて。」

レ「またね。」


馬車の荷台から2人の姿が見えなくなるまで手を振る。

どんどん小さくなっていく姿に途中から涙が溢れた。


突然の異世界。本当はずっと不安だった。

だから、わたしはかの温かい出会いに心から感謝した。

そして再会の約束を守ることを心に誓い、こうしてわたしたちの新たな旅が始まった。














実はゼロスさんが色々してくれたのはもちろん感謝の気持ちもがあったが、もう一つ理由があった。


ゼロスさんは商業の神様と旅の神様の加護を持っており、ユウリたちに会う数日前に旅の神様から神託があったのだ。


内容はゼロスさんが困っているときに助けてくれる人が現れるので、その人のことを少しでいいので手助けをしてくれないかというものだった。


それは神託というよりは神様からのお願いのようだった。


加護は持っていたが神託など一度も受けたことがなかった。そもそも加護のお陰で危険な目に会うことはほとんどなかったためゼロスさんは半信半疑だったのだが、実際に旅の途中で狼に襲われた。


そして、神託通りそのピンチを助けてくれる人も現れたのだ。


神様が気にかける回復魔法を操る女性を見て、ゼロスさんが伝説の聖母様を連想するのは仕方ないことだろう。


そしてこの一連の流れが、ユウリに託した全ての手紙に記載されていることを手紙を託された当の本人である彼女は知らない。


それによってユウリ=聖母様説が広まるかどうかは神のみぞ知る。


訳がない。


このおじいさんの話を信じるか信じないかはあなた次第です。




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