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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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いざ、と意気込んだ時だった。


ぎゅるるるるとお腹の虫が大泣きした。


「「・・・」」


シルバくんとフェルくんがわたしを見る。


ちょっと、失礼じゃない!?

わたしも自分の腹を見たけどね

だがしかし、今回はわたしではありません!


「す、すみません。」


音の主はレオーネさんだった。


顔を赤くして小さく照れている姿の可愛いこと。


わたしもお腹が減ったし、魔法チャレンジの前に皆でお昼を食べよう。




お昼も食べてお腹も一杯になったところで、いざ魔法チャレンジ。


「ユウリ様、とりあえず実践してみましょう。まずは…」


うんうん。なるほど。

魔法はイメージが大切だったよね。OK。


わたしは空気中の水分を一ヶ所に集めるイメージをしてみる。

すると、なんと目の前にピンポン玉ほどの大きさの水の塊ができたではないか。


やはり、魔法の才能はあるようです。


この調子で、はい次いってみよう。


風の魔法は空気の流れをイメージすれば、無風から扇子で扇いだようなそよ風を発生させることができた。


いい感じ。よしこの調子で、はい次。


火の魔法は火の玉をイメージすれば手の平にずいぶんとかわいらしいサイズの火の玉が発生。


出来そうだとは思ってたけど、わたしったら魔法については天才かも知れない。


いつになく順調にこなしていると、周りが静かなことに気づく。


えっ、どうした?

恐る恐る問えば、3人がえらい勢いで話しかけてくる。


シ「まだ詳細に説明もしていなのに、どうやったのですか!?」

フ「スキル持ってた?」

レ「本当に初めてなんですか!?」


ちょ、ちょっと。落ち着いて。

わたし聖徳太子じゃないから一度に話されても分からないよ。


シ「失礼いたしました。そもそも私のように2つ使えるのはそれなりにおりますが、3つ以上になると極端に使える人数が少なくなります。まだ始めたばかりですが魔法については練習すればすぐに上達されますよ。」


え、そうかなぁ。

じゃ、頑張ってみようかなあ。


レ「ユウリ様ならすぐにですよ。」

フ「頑張って。」


みんなは誉めてくれたけど、凄かったのはここまでだった。


確かに魔法は発動した。

だけど、まったくといっていいほど攻撃力というものがなかった。


シルバくんとレオーネさんが色々コツを教えてくれたのだが全然うまくいかない。

しかも威力がないだけではなく、どれも半径1メートル以内の範囲でしか発動、維持出来ないことが判明。

わたしからちょっと離れるだけで水と風は消滅してしまい、火の玉に至っては手から離すことすら出来なかった。


その後どんなに頑張っても、アドバイスをもらっても、わたしの魔法は使える範囲が異常に狭くて弱かった。


なんで出来ないの…


シ「今日始めたばかりですから。」

フ「これから。」

レ「もっと練習すればうまくいきますよ!」


本当にいい子だな君たちは。

しかし落ち込むわたしは励まされるほどになんだか泣きそうになった。


とりあえず、自衛でなら使えないこともないかもしれないし、練習を継続すればもっと色々出来るようになるという言葉を信じることにする。


ただしMP切れの恐れがあるので、魔法は1日にたくさん練習することはできない。


現にこの練習中も倒れかけた。


ここまでわたしの戦闘能力が著しく欠如しているのは何の呪いだろうかと本気で悩むのだった。





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