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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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てっきり一番最後かと思ったけど、まだ誰も帰って来ていおらずまさかのわたしが一番乗りだった。


「ただいま戻りました。」


ほどなくして、シルバくんとフェルくんも帰って来た。

レオーネさんの姿がないのでどうしたのかと聞くと、


「店の前で別れた。」


とのこと。

夕飯のお手伝いをしながら、2人は何処に行っていたのか聞いてみる。


「私たちは町を散策していました。ね、フェル。」

「うん、散策してた。」


へー、散策は楽しかった?


「はい、大変、有意義な時間を過ごすことができました。」

コクリ。


そっか、楽しめたようなら何より。


今日もレイアさんお手製の美味しい夕飯を食べて、ゆったりとお風呂に入りる。

ベッドに横になりながら今日の出来事を整理しようと思ったのに、走って疲れたのか結局いつも通り。直ぐに寝てしまった。









ここでユウリが自由行動を宣言した直後まで時間を巻き戻してみる。


シ「では、行きましょうか。」

レ「あ、どこに行きましょうか?」

フ「決まってる。ユウリ様のあと追いかける。」

レ「えっ、でも自由行動って。」

シ「自由行動なのですからユウリ様のあとを追うのも自由ということです。さあ見失う前に行きましょう、フェル。」

フ:コクリ。

レ「えぇ・・・」


そんな2人のストーカー紛いの行動にレオーネは若干引いていたが、案内を任された身としては最後まで付き合うつもりだった。


シ「ああ、あんなに息を切らして。大丈夫でしょうか。」

フ「シルバ、我慢。」


歩いているだけで息が上がっていることに2人でなくても心配になるが、あとをつけていることがバレてはいけないのでグッとこらえる。


レ「あれ、ここは・・・」


戸惑うレオーネとは違い、ユウリがたどり着いた場所が教会だったことに2人には妙に納得していた。


食堂での質問で彼らは悟っていたのだ。

彼女には神の声を聞く力があることを。


そして、気付かれないように祈りを覗くとフラフラしていたユウリが祈りをしていた。

その姿は光輝いていた。

その様子を確認すると2人は誰もユウリの邪魔をしないようにと、勝手に立ち入り禁止にした。


シ「今はこちらには入るのはご遠慮下さい。」

神父「いや、あんたら誰よ。とりあえず祈りの間に入れなさい。」

フ「入ったらダメ。」

神父「ちょ、だから、あんたら誰なんだって!?」


またまたお昼ご飯で席をはずしていた神父さまにはいい迷惑だった。


その後も、祈りを終え出てきたユウリが椅子に座り物思いにふける様子をそっと見守り続けた。


きっと神から神託を賜り、聖母としてその試練に立ち向かうために思案しているに違いない。と。


ちなみに、待っている間2人はレオーネに自分たちの考えとユウリの素晴らしさについて熱く語った。


シ「ユウリ様は本当に慈愛に溢れたかたで・・・」

フ「ユウリ様、いい人。」


その内容は当の本人が聞けば誰だそれは!と思うくらい美化されまくっていたが。


レ「はぁ、そんなんですね。」


初めは、なに言ってんだコイツらと思っていたが彼もまた大怪我を負い、ユウリのヒールを受けし者。

最終的には…


レ「確かにユウリ様は素晴らしい方です!いや、素晴らしいという言葉では足りません!」


こうしてレオーネもユウリが聖母であることに疑いをもつことなく、ユウリの素晴らしさに感銘を受けたのだった。


辺りが暗くなりはじめたころ彼女は何かを決意した表情で立ち上がった。

その表情に彼らは聖母としての決意を感じていた。




これがただの誤解かはたまた真実となるのかは

神も知るわけ、ないだろう。





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