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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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ちょっと確認したいことが出来たので、午後からは自由行動にしたいと思います。


「では、ご一緒致します。」

「何処にいく?」


いや、自由行動って言ったよね?

シルバくんとフェルくんは付いてくる気満々だったったが、何がなんでもご遠慮いただく。


各自夕飯までにゼロスさんの家に戻るという事で。じゃ!

何か言われる前にきびすを返して移動を開始する。


「ちょ、ユウリ様!?」


呼び掛ける声を無視して向かう目的地は、教会だ。


謎の声が空耳とか幻聴じゃないかもしれないことを思いきって確かめることにしたから。


焦っているつもりはなかったけど知らない間にどんどん早歩きになっていき、食堂からたいした距離ではなかったのだが、教会に着いたときには息が上がっていた。


ハァハァ…

さすが、平均以下の体力。


息を切らしながらも中に入ると、教会の関係者の人はおろか誰の姿も見当たらない。


なるほど。こっちの考えはお見通しってわけですか。

そっちがその気ならこっちも腹を括ってやろうじゃない。


鼻息も荒く祈りの間へ突撃すると、目を閉じて出てきなさいよ!と祈り?を開始する。


すると・・・


"あっ!また繋がった!"


という声が頭に響いた。


予想はしていたこととはいえ、それでも驚きのあまり目を開きそうになるが、


"待って!お願いだから目は開けないでっ!"


と必死な声が響く。


反射的に目をぎゅっとつぶる。

そしてバクバクする心臓を落ち着かせつかせるために一呼吸し、思いきって祈りというかわたしからの質問をする。






あなたは、神様なのでしょうか?





"そうです。私が神です。"



この瞬間、わたしの空耳だと思っていたものが実は神様の声という仮説が残念ながら立証されてしまった。


いや、なんとなくそうじゃないかなとは思ってだけど…全然嬉しくない。


"えぇ?!神ですよ。嬉しくな、あっ、ちょっ、まっ!"


かなり上から目線の言葉にわたしはバッっと目を開けて祈りを中止する。


え、今、完全に人の心読んでたよね。

いくら神様とはいえプライバシーを無視するとか、なり得ないわ。

もういい。今回はこれくらいにしておこう…

というか以上は無理!衝撃が強すぎて頭がパァンってなっちゃう。


わたしはヨロヨロと祈りの間をあとにて、目についた教会の椅子に座る。そしてぼぉっとこれからのこととか色々考える。

色々考えて、考え抜いた末、結局また頭がパァンってなりそうだったので、とりあえず考えてもわからないことを考えることを辞めた。


そしてふと辺りを見渡せばずいぶん暗くなっていることに気付く。


やばい!


わたしは全速力でゼロスさんの家に向かって走り出すが、いかんせん体力がないので走っては休むを繰り返す。

あれ、もうこれ走って向かうより歩いた方がはやいんじゃないかな?

という恐ろしい結論を導きだし、諦めかけた頃ゼロスさんの家に到着した。


ハー、ハー、ゲホッ…


久しぶりにいっぱい走ったからすごく疲れたけど、体動かしたらなんかちょっとスッキリしたのだった。




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