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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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お決まりのパターンで寝たので、朝もお決まりのいい匂いで目が覚める。


朝食もお姉さまが作ってくださいまして、大変美味しゅうございました!


そして、ご飯が終れば恐怖の荷馬車タイム…


まだ昨日の痛みが残っているので辛い。

今日ははじめから寝袋を敷いておく。

それでもやっぱりすぐ痛くなってしまい、早く町に着いてくれと心の底から祈りましたよ。


祈りが通じたのかどうかわからないが、盗賊に襲われることも、また魔物に襲われることもなく、順調に進み日が傾く前に目的の町に到着することができた。


「さ、着きましたよ。」


予定よりずっと早く到着できました。ありがとうございます!


「いえいえ、お礼を申し上げるのはこちらですよ。ぜひ皆さんを私の家に招待させていただきたいのですが。」


お礼は馬車に乗せてもらったり、ご飯をいただいたりしていたので十分です。


「とんでもない!これだけのことでは全然私の感謝の気持ちを表すには足りませんので、ぜひお寄りください。」


いや、でも、本当に色々してもらって、これ以上は…


「とりあえず、荷物を店に下ろしてから参りましょうか。」


あ、もう決定事項にされましたね。

まぁこれ以上頑なに断るのも失礼かと思い、お言葉に甘えさせていただくことにした。


そして、ゼロスさんが着いたといって荷馬車を止めたのは帝都で泊まった宿屋と同じくらいかそれよりも大きいかもしれないお店の前だった。


ゼロスさん、ごめんなさい。

わたしったら小ぢんまりとしたお店を勝手に想像していたので、びっくりです。


「すぐに荷を下ろしてきますので、よろしければ店の中をご覧になってお待ちください。」


と言われたけど、わたしはあまりの店の大きさに少々お店の前で立ち尽くしてしまった。


「ユウリ様、お店の前で立ち止まると他の方の入店の妨げになりますので。」


あ、はい。すみません。今入りますね。


意を決して中に入ると、お店の中は見た目通りとっても広かった。

そしてこのお店で揃わないものはないんじゃないか、と思うほどに品数が豊富だった。


こんなにいっぱい品物があると、どこみればいいかわからない。


お店に入ってすぐの場所で固まっているわたしを見兼ねたのだろう、近くにいた店員さんがお店の一角にある休憩スペースに案内してくれた。


案内された場所にあった椅子に全員自分にクリーンをかけてから無言で腰をかける。


だって真っ白な椅子とかとてもじゃないけど、汚せないよ。


そしてひたすら、ゼロスさん、いや、ゼロスおじさま早く来てくれること待ちわびる。


今日のご飯は何かとか、どうでもいいことを考えながら現実逃避をしていると、ふいにお尻の痛みにヒールが効くのではないかと思い至る。


物は試しとこっそり『ヒール』をかけてみれば、あら不思議!

今までの痛みが嘘のように消えました。


喜んだのも束の間。

確かに痛みは消えたけど、なんだか使い方としては間違っているよう気がしなくもない…





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