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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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今日の夕飯はスープとパン。

そして魔物のウサギの串焼きだ。


いつもご飯はアイテムボックスの中の材料のみだけど、今回夕飯の一品に追加された。そう魔物のウサギの肉が…


私の中で大問題となっているこのウサギの肉をどうやって手に入れたのか。ますばその経緯をご説明しましょう。



現在いるこの野宿スポットに到着する約一時間くらい前に時を戻そう。

まずウサギはネズミと同様にフェルくんによって発見され、

そしてこれまた同様にシルバくんが矢を射って仕留めた。


ここまではいつも通り。


しかしこのあと、いつもとは違うことが起こったわけで…


ウサギはピクリとも動かないのですでにお亡くなりになっていると思い、埋めるための穴を掘るためスコップ用意して近づいたのだが…

なんと死んだと思っていたウサギが私めがけてて跳んでくれではないか!


「「ユウリ様!!!」」


私はとっさに持っていたスコップを構える。

すると運良くウサギはスコップに激突してそのまま沈黙した。


おいおい、死ぬかと思ったじゃんよ。

ウサギはウサギでも流石に魔物だけあって頭に角生えてたからね。


これが私がこの旅で初めて命の危機を感じた瞬間だった。


「ユウリ様!お怪我はありませんかっ!?」

「ウサギから離れて。」


2人も完全に仕留めたと思っていたようで、まさかの動きに対応できず慌てて私のもとに駆け寄ってきた。


心配してくれてありがとう。でも見ての通りスコップのおかげで私は大丈夫です。

心臓はまだあり得ないくらいバックンバックンしてますけどね!


ウサギよ。死んだふりが上手すぎるぜ。

これを教訓として、次からはもっと慎重に行動しようと思いました。


でもまぁ、無事?倒したことに変わりはないのでいつ通りに穴を掘る。


いつもならフェルくんが一緒に掘ってくれるのだが今回は一人で掘りきった。

穴も掘らんと何をしてるのかと思って2人の方を見たら。


ウサギさんは、ぱっかーんってなってました。


振り向いたらいきなりモザイク処理が必要な状況に何でそんなことしてるかと叫んでしまったのはしょうがないと思う。

振り返ったらそこには解体ショーが繰り広げられてたら流石にビックリですわ。


「ウサギ、美味しい。」

「フェルディナンの言うとおりウサギは大変美味しいので、ユウリ様に食べていただこうと思いまして。」


ヘエ。ソウナンダ。アリガトウ。


色々お気持ちはありがたいが、お礼が片言になったのは許してほしい。

私的にはあまりにも衝撃的過ぎてそのあとの記憶は若干曖昧で現在に至る。


そんなこんなで、人生初の魔物を食べることに相成りました。


お肉を枝に串刺しにして焚き火の火に当てて直火焼きにすると、なんとも言えないいい匂いが辺りに漂う。


「ユウリ様、焼けました。こちらは一番美味しいモモの辺りになります。」


2人がこちらをじっと見ている。

いや、そんなに見なくても食べます。食べますよ!

私は覚悟を決めた。ええい!どうにでもなれ!


せっかくの好意だからと意を決して食べてみれば…


確かに美味しかった。


またウサギに遭遇しないかなとか思ってしまうくらいにウサギは美味しかった。




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