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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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さてと。


ご飯も食べたし、お話し合いもしたし、王国のゴタゴタも一段落したことだし、いい加減本来の目的地である東の国へ向かいましょうかね。


ということでシルバくん。

足りないものがあれば今日中に買っておいてもらえるかな?


「はい。かしこまりました」


よろしくね。あ、そうそう。


「他にも何か?」


イケメンさんの名前だけどこれから一緒に旅するっていうのにいつまでもイケメンさんて呼ぶわけにもいかないから、今後はフラーテル、フラくんって呼ぶことにします。


「フラーテル…僕の名前…」


勝手に決めちゃったけど…


「僕はフラーテルだぁ!ユウリ様ありがとう!」


気に入ってもらえたようでなにより。

そういう訳でこれからはみんなも名前で呼んであげてね。猫野郎なんて言語道断だから。


「承知いたしました。ではフラ。早速買い物に行きますよ」


「え?ユウリ様は?」


わたし?わたしは王城くんとお出掛けですけど?


「え?ぼくですか?」


「あの、それご一緒してもいいですか?」


レオくんも?もちろん。他は?


「シルバたちと行く」

「オレも!」


了解。じゃ、シルバくんフェルくんガルくんはフラくんの買い物をお願いね。

レオくんと王城くんはわたしとお出掛けってことで、解散!


「僕もユウリ様と一緒がよかった…」


ちょっと前ならわたしにしがみついて駄々をこねたであろうフラくんがしょんぼりしながら部屋を出ていった。

聞き分けが良くなったのはシルバくんの指導の賜物だろう。


今はまだ大丈夫そうだけど、お願いだからシルバくん2号にだけはならないで欲しいと願うばかりだ…


「あの、ぼくたちは何処に行くんですか?」


出かける前にちょっとだけいいかな?


「は、はい…」


えーと、なんだ、その、王城くんは今後どうしたいのかなぁって…


「・・・」


「英雄様。大丈夫ですよ」


な、なんでもいいの。今思ってることを話してくれればいいから、ね?


「ぼ、ぼくは…」


うん。


「ぼくは…やっぱりまだユウリ様たちと一緒にいたい!です…」


・・・


「ダメ、ですか…?」


ガバッ!


「え?ユ、ユウリ様?!」


そんなの…




いいに決まってるでしょうがぁ!




わたしは王城くんを抱き締めると号泣しながらそう叫んだ。


この前の件で王城くんに完全に嫌われたと思っていたのに、一緒にいたいって言ってくれるなんて…なんていい子なの!

それによくよく考えてみればあんな腹黒な王様に王城くんを任せるなんて…無理だから!


「ユウリ様、良かったですね」


うんうん。

今回はレオくんが色々とフォローしてくれたおかけだよ。ありがとうね。


「いえ、そんなお礼なんて…でも…」


ん?でも?


「でも…2度目はありませんから」ニコッ


あ、はい。


レオくんってば結構お怒りだったのね…


以後、気を付けます。


「ぜひ、お願いします」ニコッ





実はシルバくんより怒らせてはいけないのはレオくんじゃなかろうかとこの時わたしは思い知ったのだった。



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