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なんだかいい匂いがする…
目を開けて身体を起こすと、2人はすでに起きていて朝食の準備をしていた。
慌てて手伝いを申し出たが、時すでに遅し。
朝食はちょうど完成したところだった。
準備が手伝えなかったことを謝罪して、作ってくれたことに感謝する。
「たまたま早く目が覚めただけですからお気になさらないでください。」
「冷める。早くこっち。」
昨日の夜と同じく仲良く食べました。
もちろん、お味の方は大変美味しゅうございました。
準備が手伝えなかったので、流石に片付けは任せてもらう。
昨日覚えた『クリーン』をかければちょちょいのちょい。
あっという間に終了ですわ!
寝袋や鍋などをアイテムボックスに仕舞い、忘れ物がないか確認して小屋を出て次の村へ向けいざ出発!
ふふふーん♪
今日も今日とて散歩のような気軽さで道を歩く。
途中でまたネズミが出たが、今回も先手必勝でシルバくんが弓で射ると、ネズミの元に行くと今回はすでにお亡くなりになっていた。
合掌。
矢を回収して、埋める。
今回は私も穴を掘るのを手伝う。
「スコップが役に立ちましたね。」
実は道具屋のおばちゃんからスコップをお薦めされて購入していたのだ。
薦められたときは何に使うのか分からず、売れ残りを押し付けてるのではないのかと疑ってしまった。
おばちゃん、ごめんなさい。
スコップはとっても役に立っています。
今日もこまめに休憩をはさみながら進んでいると、道の脇に祠を発見。
「おや、こちらは旅の神様のようですね。」
なんと旅の神様でいらっしゃいますか!
私はここぞとばかりに旅の安全を念入りにお祈りしておく。
また温かさを感じた気がしたがやはり特に変化はない。
とりあえずこれからも祠は見つけたときには手を合わせることを勝手に決める。昔から神社仏閣とかお地蔵様とか見つけると手を合わせてしまうのは日本人の性かな?
そろそろ昼頃なのでこのまま祠の脇で休憩させてもらうことにした。
アイテムボックスの中から果物を出してお供えしておく。
すみませんが少々お邪魔させていただきます。
旅のお昼は基本的にパンに野菜や肉を挟んだものを食べることにする。
ただこれは私のアイテムボックスがあるから出来ることで、普通は保存がきかない野菜はなく、日持ち重視の硬いパンと塩辛い肉が主になるそうだ。
あとは食べられる草とか倒した魔物とかたまに食べるそうです。
もう、アイテムボックス様様です。
さてご飯も食べて、たっぷり休憩を取って元気になったことですし行きますか!ありがとうございました。
私達はお礼を言ってから祠を後にした。
「ユウリ様、辺りも暗くなりはじめましたので今日はここで夜を明かすことにしましょう。」
どうやらシルバくんが野宿スポットを見つけたようだ。
うん、焚き火の跡があるので大変分かりやすい。
フェルくんは薪になるものを集めにいって、その間にシルバくんと2人でテントを張る。
「ただいま。」
テントが完成したタイミングでフェルくんが戻ってきたので火を起こすことにする。
ついに三大生活魔法全てを修得する時がきましたよ。
わたしはチャッカマンをイメージして右手の人差し指を薪に近づけ『イグニッション』と唱える。
すると右手の人差し指に小さな炎がともり、無事点火完了。
これで、三大生活魔法コンプリート!全部使えた!
ただ、喜んではかりはいられない…
問題は今日の夕飯だ…