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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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シルバくんによってドナドナされたわたしは宿に到着すると、外出することとイケメンさんと接触することを禁止されいじけていた。


夜になりいじけ疲れたのでそろそろ寝ようかなというタイミングでフェルくんたちが帰還してきたので、もろもろの報告を兼ねた会議をすることになった。


皆はイスに座ってるがわたしだけ正座だけど、これは強制されたわけではなく自主的に行っている。


理由は簡単。

この後行われるであろうお話し合いのためだ。


正座したぐらいでどうこうなることはないと理解しているが、シルバくんの恐ろしい笑顔が継続中の今、やれることはなんでもやっておきたい。


王城くん以外の皆がまたやらかしたなみたいな目で見ているがまるっと無視して、フェルくんに隣の村について確認すると問題なかったとのとこだった。


無事を確認できたら次はわたしたちの番。

しかしいざ話そうとしたときだった。


「こちらの報告をする前に少々話したいことがあるのですがよいでしょうか?」


なん、だと…


てっきりお話し合いは報告の後だと思っていたのに報告の前だと!?

そうはさせないぞ!


はいっ!そのお話し合いの前にいいですか!?


わたしの突然の申し出に皆の視線がシルバくんに集中する。


「・・・ユウリ様、なんでしょうか?」


よしっ!渋々といった様子だがシルバくんのお許しが出た!


えー、皆さん。

こちらのイケメンさんについてご報告したいことがございます。


「正体不明だったのでは?」


チッチッチッ。シルバくん。

このわたしが本当に分からなかったとお思ったのかね?


「・・・」


あ、シルバさんイラッとしないで。

ちゃんと説明しますから。

ゴホン。えー、こちらのイケメンさんですが…




カルトの同僚だと思われます。

まぁ、正しくは元同僚だけど。




「「「「「・・・」」」」」


ちょ、嘘でしょ?

なんで皆して誰だっけ?見たいな顔してるのさ!

カルトだよ、カルト!本当に覚えてないの?!

教国の暗部のボスで残念なストーカーだったやつ!


「「「「あー」」」」


わたしのちょっと失礼な説明で皆はなんとか思い出してくれたようだ。


「それでそのカルトの元同僚というのは?」


前にカルトの昔話聞いたときに訓練中に仲間がいなくなったって言ってたけど、多分暗部とは別の組織に引き取られたんじゃないかと思うのよ。


「なぜそう思われるのですか?」


ほら、教国でも今回と同じように呪われし紙が使われてたけど仕掛けたのが暗部だったって話は聞かなかったでしょ?


「・・・確かに」


で、今回この作戦を考えたのが呪術師の弟子とやらで教国と同じく呪われし紙が使われたのは偶然だと思う?


「・・・」


同じもしくは関係があるって考えるのが普通じゃない?

しかもカルトは小さいときに暗部に連れてこられたって言ってたし、イケメンさんの幼少期の記憶しかないのもこれで説明がつくかなって。


この呪術師の弟子とやらは人物じゃなくてその名の通り呪術師直轄の帝国関連の裏の仕事をしていた組織だろうね。


「いつから気付いていたのですか?」


うーん、村で熊の魔獣の話を聞いたときからか薄々は。


「そんな前から…」


まぁ、確信があった訳じゃないし、色々聞いてから皆には言おうと思って。


「そうでしたか…それで、ユウリ様のお話は以上でしょうか?」


え?うん。そうだけど…


「では、ようやく私の番ですね」


・・・





結局恐れていたお話し合いは行われ、わたしは皆様から色々とお叱りのお言葉をいただきました…



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