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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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2、はじめてのおつかい

金貨300枚という大金だと思われるお金をもらってお城を出た私はまず服屋に向かった。


なぜなら…


休日で完全に気を抜いていた時に召喚されたもんだからスウェットだったんです。

召喚直後、超恥ずかしかった。よりによってスウェットて…


一応お城を出る前に服を恵んでもらえないか遠回しに聞いてみたのだが、お城にあるのはお姫様の服とメイド服しかないとのことで諦めざるを得なかった。


お姫様の服は問題外だし、メイド服とか何の罰ゲームよ。


とりあえず城を出るときに魔術師のおじいちゃんに服屋の場所は聞いたのでそこに向かうことにした。


城を出て40分くらい歩いたところにその服屋はあった。


「いらっ…しゃいませ〜。」


入ると店員さんが寄ってきて私を見ると一瞬驚いた顔をして言葉がつまったけど、直ぐに笑顔を張り付けてなんとか最後までいらっしゃいませを言いきった。お姉さんプロですね。


お城からの紹介で来た旨を伝えて一般の人が着る服が欲しいっていったら明らかに顔がひきつっていた。


「申し訳ごさいません、お客様。

当店は帝都の中でも格式高い店舗となっておりまして、通常でしたら皆様素晴らしい御召し物を着ていらっしゃいますし、お客様がお求めのような品質のもはあいにくご用意がないのですが…」


随分オブラートに包んで教えてくれたけど、要はこのお店は王家や貴族御用達のお店だから一般の服なんか置いてるわけねーし、お前みたいなスエット姿の客が来るところじゃねーんだよ!と…


で、ですよねー!


お城の紹介が庶民のお店なわけないですよねー。

まぁ店構えとか中の様子からそんな気はしてたんですけど。

それに愚痴ばっかりだったけと、おじいちゃん結構偉い人だったし…


顔が引きつったままの店員さんに張り付かれながらとりあえず、店の隅にあったデザインがシンプルな紺色のドレスと靴を金貨10枚で購入。


いきなりの出費に今度は私の顔が引きったが、ずっとスウェットのままでいるわけにもいかないのでしぶしぶ購入した。

ぶっちゃけお金の価値がわからんがとてつもなく高いことわかります。


かなり怪しまれたけど一応買い物したお陰でお店の人に話を聞くことができて、なんとなく分かっていたことだけど、この辺りはお貴族様たち専用の居住区とのこと。

庶民の皆様はここからさらに1時間ほど歩いた先にある塀の外で生活しているとのこと。


「ありがとうございました〜」


服を着替えてそんな話を聞いた私は服屋をあとにした。すぐにでも貴族区域を出たいところだが、その前にお茶というなのさらなる情報収集をすることにした。


なんせ、もとの世界でも海外に行ったことすらないのに、いきなりの異世界。


さっきの服屋で話は聞いたけど、少しでもこの世界についての情報が欲しかった。情報大事!

それに、お城から服屋までそれなりに歩いたし、これから外に出るにはまたさらに歩かなきゃ行けないからちょっと休憩したかった。こんなに歩いたの久しぶりよ。


服屋を出て塀に向かう途中で見つけたおっしゃれーなカフェにとりあえず入ってメニューがちんぷんかんぷんだったもで、お任せでお茶を頼み、普段の運動不足を実感しながらきらびやかなお洋服をお召しになられた奥様方の話に耳を傾ける。


「ねぇお聞きになりました?侯爵さまの奥方様が…」


話の内容のほとんどは悪口で、どこそこの誰それが浮気してるやら、お茶会のセンスがないとか、どこの世界でも女性とはこんな話で花を咲かすことろは共通事項のようです。


そんな会ったこともない人たちの悪口を聞きながら得られたことは、今いるこの国が最近魔王討伐という名目で軍事面に力を入れているっていうなにやらキナ臭い国だということだった。


こりゃ、この国自体からおさらばした方がよさそうだなと判断した私はオススメで出されたお紅茶を飲みほし、店をあとにしてなけなしの体力を振り絞ってさっさと塀の外に行くことにした。




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