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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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モグモグ…


「あの…」


モグモグ、ごっくん。


いやぁ、ごめん、ごめん。

思ってたより減ってたみたい。

それでなんだっけか?


「あの、なんで助けてあげなかったんですか?」


あー、それね。王城くんなら助けてあげた?


「ボクにできるなら…」


じゃ、王城くんがやってみる?


「え、でもボクなんかにそんなこと…」


王城くんは自分が出来ないことをわたしにやってって言うんだね?


「でも、ユウリさんなら出来ますよね」


何でわたしなら出来るってわかるのかな?


「だって、村の人たちを助けあげてたし…」


それはわたし一人でしたことじゃない。

皆の手助けがあって、運が良かっただけ。


「でも…」


もしわたしが助けてあげたとして、上手くいかなかったときはどうなると思う?


「・・・」


それに…「ユウリ様。もうそのへんで」


「グスッ」


え!?うそ!ごめん!泣かせるつもりは…


「ごめんなさい…」


いやいや、謝るのはわたしの方っていうか…あぁ、そんなに擦っちゃダメだよ。


「こんなに幼い子を相手に…」

「優しくしなきゃダメ」

「今のは流石に大人げないです」

「子どもを泣かせんなよなぁ」


ぐっ…申し訳ない。


「ボ、ボクがいけないんです。グスッ、だからユウリさんをいじめないで!」


王城くん!なんていい子なの…


やっぱりちゃんと話してあげた方がいいのかな?


「そうですね。ご理解いだけるのはではないかと思いますが、我々はユウリ様のご判断に従います」


いい感じのこと言ってるけど、丸投げやないか。


「そんなことはございません。そもそもの言い出しっぺはユウリ様ではありませんか」


そうだけど…ええい!女は度胸じゃ!


「・・・?」


王城くん!


「っ!はい!」


これからこの国で生活する予定でここまで来たんだけど、そうなるとわたしたちとはここでお別れすることになるのは分かってる?


「・・・はい」


あーあー、そんなにしょんぼりしないで。

もちろんいきなり一人にするつもりはないのよ。

でもね、かといって危ない場所、信用出来ない人に王城くんをお願いするわけにはいかないの。


「・・・」


ましてや王城くんは英雄なの。


王城くんにそのつもりがなくても、他の人は英雄なんだからって王城くんに色々お願いしたりするかもしれない。

その時王城くんは全部のお願いを聞いてあげることが出来る?


「・・・できない」


でも出来るか出来ないのかそれを判断するのは王城くんじゃなくて他の人の場合もあるの。


さっきわたしになんで?って聞いたみたいにね。


「あ…ごめんなさい…」


もう謝らないで。分かってくれたのならそれでいいの。

それに王城くんが望むならこのまま一緒に旅を続けてもいいしね。


王城くんの気持ちが一番大切だから、ゆっくり考えてごらん。


「はい」


ってことで、ここからは自由時間!

日が暮れるまで各自好きなことしていいよ。


「ユウリ様はどうされるのですか?」


わたし?わたしはここに居るよ。だって…



食べ過ぎて動けないからね!

現在進行形でお腹が苦しくて仕方ないよ!


・・・・・


あっ、そんな冷たい目で見ないで。

そういうわけだから、皆は好きなことしてきて。わたしはここでお留守番してるから。


「はぁ…仕方ありませんね。では買い物に行って参ります」


ごめんね。あ、お金はこれでお願いします。


お金を受け取り出口に向かうシルバくんと当たり前のように続く皆とわたしを交互に見る王城くん。


本当に優しく子だこと。


気にしないでと手を振れば、ペコッと一礼してシルバくんたちの後を追っていった。


「あの、ボクも一緒にいいですか…」

「もちろん、構いませんよ」


そうしてわたし以外の皆は買い物に出掛けていった。



さてと、お待たせしました。



皆が戻ってくるまで、色々とお話しをしましょうかね?


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