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ボッ!
わたしは今だかつてないレベルでの女性扱いに真っ赤になった。
そんなわたしの様子にフリード様は手を緩めることなく追い討ちをかける。
「フフッ。ずいぶんと可愛らしい反応だね。」
ボボッ!
「そんなに可愛らしい反応をされると、ついつい…苛めたくなってしまうな…」
ボボボッ!
フリード様はおもむろに立ち上がると同時にわたしの頬と腰に手を添えて抱き寄せた。
そして、グッと顔を近付けて…
「次は手でなく、ここにしてもいいだろうか?」
と言ってわたしの唇を指でなぞった。
・・・・・
ボンッ!
わたしは色々と限界を突破して爆発した。
「〜〜〜」
声が聞こえる…
「ユウリ様!」
はっ!
目を覚ますと目の前にシルバくんがいた。
「良かった。目が覚めましたか」
うん。もうバッチリ!
だから、その振り上げた手は下ろしてくれるかな。
「お名前をお呼びしても反応がなかったので心配いたしました」
・・・さよか。
で、フェルくんに押さえつけられてるフリード様は大丈夫かな?
「問題ありません」
いや、それはシルバくんが答えることじゃないよね。
・・・クイッ
「ハハハ、大丈夫だよ」
いやいや、全然大丈夫じゃないから。
だって今、フリード様に向かって顎で指示したよね。クイッて。
「気のせいです」
目の前でやっといて気のせいなわけあるかい。
とりあえず、フェルくん。
フリード様を解放して差し上げなさいな。
「ダメ」
ダメじゃありません。
完全に不敬罪だから。下手するとコロコロされちゃう状況だからね。
「いえ。この場合聖母様であるユウリ様への不敬罪でフリードの方が処罰されますので、ご安心下さい」
・・・ワタシ、セイボサマジャナイヨ。
「またそのようなことを…ですが今回ばかりは見過ごせません」
「どうやら、僕の女神には刺激が強すぎたようだね」
うっ…
た、確かに色々と限界を突破したけど、それはわたしの耐性があまりにもなかったかというか…
「ユウリ様に抱きつくだけでは飽きたらず、手に口付けをするなんて…正気ですか?」
「おや?僕の女神はずいぶんとレディーとして扱われていないようだね」
「ユウリ様の何処にレディーの要素があるというのです?」
「近くにいすぎて気づいていないのか、それとも…気づかないフリをしているのかなか?」
「・・・」
「・・・悪かったよ。だからそんな奇妙なものを見るような目で見ないでくれないかな」
「お分かりいただけたようで、良かったです」
おい。全然良くねぇよ。
黙って聞いてりゃ、言いたい放題言いやがって。
「ユウリ様」
なんじゃ?!
「レディーだったのですか?」
・・・・・一度話し合いが必要だな。
「まったく。君ほど素敵なレディーなんかいないのにね」
いつの間にかフェルくんの拘束から抜け出したフリード様がわたしを抱き寄せようと肩に手をのばしてくるが、
ダァン…
わたしはその手をとって床に仰向けに倒した。
不敬罪にならないってんなら、遠慮はなし。
そう何度もさせませんことよ。
「ハハハ。僕の女神は確かにただのレディーでは、ない、ようだ…」
フリード様はいい笑顔でそう言うと、白目を剥いて動かなくなってしまった。
・・・
あれ?フ、フリード様?
「ユウリ様」
シルバくん!ど、どうしよう!?
「今回ばかりはやり過ぎかと。大人しく処罰をお受けください」
え?
「流石に気絶となると…問題になりますねぇ」
パウルさん?!
「では、城まで来ていただきましょうか」
テオバルトさん?!
「ユウリ様」
はっ!フェルくん!
「コロコロ、ダメ」
そこまではしてないよっ!?
「「「「・・・」」」」
も、申し訳ございませんでした!!!