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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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約束の3日後。


わたしたちはフリード様とパウルさんとテオバルトさんを伴って王国にある一番大きな教会にやってきた。


この3日間はそれなりに忙しかった。


まず、わたしたちは首都の近くの村に残していたレオくんとガルくんと王城くんと合流。


かくれんぼ作戦の終了を宣言。


国王様の帰還を知った作戦に参加していた国民の皆様はそれはもうお祭り騒ぎだった。


そしてかくれんぼ作戦の終了により、ようやく皆さんの定住が出来るようになったので各々が希望する村へと移動し、本格的な村の再建が始まった。


その移動を手伝ったり色々と忙しかったせいで、約束の3日はあっという間だった。




全員が祈りの間に入るとわたしは早速ケビンを呼び出す。


ケビンさーん!


"はーい!"


返事と共に祈りの間がまばゆい光に包まれる。



まさかの創造神降臨!



誰もが息をのみ動けずにいると


"我が子らの未来に幸多からんことを…"


と言う声と共にまたまばゆい光が祈りの間を包んだ。


・・・


え?これだけ?

もう帰ったの?降臨した意味は?

これでちゃんと加護が弱まったの?


混乱するわたしをよそに他の皆は感動のあまりその場で平伏していた。


"やっぱり、生の反応を見れるっていいですねぇ"


まだいたんかい!


"はい。ユウリさんには色々説明しとこうと思いまして。あ、心配には及びませんよ。ちゃんと加護は弱まってますから"


そ、それならいいけど…


"いやぁ、加護授与の申請履歴の確認をするのに以外と時間がかかって間に合わないかとヒヤヒヤしました"


は?申請?


"はい、申請です。昔は無許可で加護を与えてたんですけど、一部の神たちの乱用が問題になりまして、今では人数とか加護の強さとか色々決まりがあるんです"


・・・


"最近は加護が強すぎるなんて案件は無かったんでおかしいなと思いましてね。申請以外にも色々調べたんです"


・・・


"そしたら愛の神がどうやら自分のタイプということで通常よりも強く加護を授けしまってたことが判明しました"


・・・


"本当に困ったものですよ…あれ?ユウリさん?聞いてます?"


聞いてます。ちゃんと聞いてます。


"・・・えーと、激おこ、ですか?"


激おこを通り越して呆れてたの。


"で、ですよね!もう、呆れちゃいますよね!"


・・・


"えっと…まぁ、そういった理由で…その、加護は弱くというか通常に戻しというか…"


ねぇ、ケビン。


"は、はい!なんでしょう!?"


わたしはフリード様にこの事実をなんて説明すればいいのかな…


"・・・"


っていうか、降臨したときにさ、なんとなく説明出来なかったのかな?


"・・・"


ねぇ?


"すみません!後はお任せします!大丈夫!ユウリさんならできる!"


はぁ?!そんなの無理だって、ケビン!


シーン…


ちょ、おーい!ケビーン!


シーン…


嘘だろ…



あいつ人に丸投げしていきやがった。




女神(ミューズ)…」


ビクゥ!


フリード様の呼び掛けに無視するわけにもいかず、わたしは恐る恐る声のした方を見る。


「愛の神から話は聞いたよ」


ん?


訳がわからずアホ面で立ち尽くしているとフリード様が近寄ってきて手を取られる。


「君のお陰で加護を弱めることが出来たって」


んん?


「君は女神(ミューズ)ではなく、聖母だったんだね」


んんん?


フリード様はわたしの手の甲に恭しくキスすると


「聖母の慈悲に感謝を…」


と言って膝をついたのだった。


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