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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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フェルくんたちが戻ってきたのは、悲しき背中を見送ってから3日後だった。


お疲れさまー。道中トラブルはなかったかな?


「はい。一度襲われましたけどアセナが追い払ってくれたので特に問題ありませんでした」


そっか、特に問題なかったかぁ・・・ってなるわけあるかぁ!

いいかいレオくん。襲われた時点で問題ありだからねっ!?


「あっ、シルバさん。これ、今回の賞金になります」


お?無視か?無視なのか?

しかもなんでシルバくんに賞金を渡すのかな?!


「おおっ!流石ゴロッツキー一家のお頭!すごい金額っすね!」


おーい!完全に無視ですかー?


「これだけあれば村の方たちも喜ばれるでしょう。直ぐに渡してきますからその間に出発の準備をお願いします」


・・・


「ユウリ様、お腹痛い?」


ううん、フェルくん。わたしは今お腹じゃなくて心が痛いの。

ねぇ、もしかして今までの村でも賞金を村の人たちにあげてたりしたりしてたの?


"なんじゃお主。まさか知らんかったのか?"


・・・うん。


「えっ、そうなんですかっ?!」


そうみたいです。王城くん、わたしはなんにも知らないの。

なんなら今まで賞金を貰ってたことすら知らなかったよ…


"ユウリさま、はやくにだいをださないとシルバさまが…"


「戻りました。おや、お願いしたのにまだ出発の準備が出来ていないようですね?」


シルバさんや。


「はい、なんでしょう?出発の準備がありますので手短にお願いします」


なんで言ってくれなかったのさ。


「・・・何のことですか?」


何って、賞金のことだよ!賞金が出てることも、村の人たちにあげてたことも、なんで相談してくれなかったのさ!


「何をおっしゃっているのですか…それについてはちゃんと子どもが生け贄にされていた村で捕まえた盗賊を引き渡しに向かう道中でご相談いたしましたが?」


シルバくんの言葉でおぼろげによみがえる記憶。

んー、そう言われれば確かにアセナさんとハンサちゃんと戯れていたときにそんことを聞かれたような、ないような…


「まさかとは思いますが、話を聞いていなかったなんてことは…」


シルバくんがとってもいい笑顔で確認してくる。


モチロン、オボエテマスヨー。


ヤバッ、返事が明らかに片言になってしまった。


「はぁ……」


全てを悟ったであろうシルバくんは重いため息をつくと


「まだまだ私の教育が至らないようですね」


と、恐ろしい言葉を呟いてわたしの元を去っていった…


ちょ、今だって十分うるさい小姑なのに、これ以上厳しくされたらたまったもんじゃない!

その後わたしは必死に挽回を図ろうとして一人で空回りした結果、翌日ダウンしてした。



そして王国に着くまでの間、体力、精神ともに落ち込んでいる中、みんなからお小言をもらうという地獄を味わうことなったのでした。トホホ…




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