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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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わるいごはいねぇがぁ!!!


わたしはこの台詞が聞こえてきそうなお面を被り、スコップを携えアセナさんに跨がって村に突撃した。


色々突っ込みどころが満載の状況だが、わたしのイメージはもの◯け姫の◯ン。


さしずめアセナさんはモ◯というところだ。


ちなみに着けているお面はこんなこともあろうかとゼロスさんのお店で購入したもの。

まさか本当に使う日が来るとは思っていなかったけど。


しかし、わたしにアセナさんを乗りこなす技術がなさすぎてスピード感はまったく、そのせいで迫力は皆無。


ぶっちゃけ、ただの狼に乗った変なお面を被った仮装した人状態だったりする。


だから、盗賊たちは戸惑っていた。

ついでに村の人たちにも戸惑っていた。


だが、これもすべて計算通り!


わたしは戸惑っている盗賊たちに近づくと問答無用で水魔法をおみまいし、素早くアセナさんから降りるというか落ちた。


アセナさんはわたしがもたついている間に水魔法で倒れなかった盗賊たちを次々と襲撃し、その隙にわたしは急いで村人たちの元に向かった。


村の人たちにはケガをしている人が多く、中には危険な状態の人もいる。


わたしはすぐに『エリアヒール』を発動させたのだが、村人たちは明らかに盗賊やアセナさんではなくわたしに怯えていた。


必死に敵ではないと説明するが全然信用してもらえず、むしろどんどん恐怖が増しているようだ。


何故だっ?!


「ユウリ様、いい加減そのおかしなお面をお取りください。村の方たちが怯えております」


わたしは慌ててお面を外した。


それでも村の人たちの警戒は盗賊たちを全員縛り上げて安全が確保できてから合流した子どもたちが必死に経緯を説明してくれるまで続いた。


解せん…


説明の途中で他の逃げた出していた子どもたちを連れて戻ってきた盗賊もボッコボコにして縛り上げておいた。


最終的に縛り上げた盗賊の総数はおよそ30。


当初はやいのやいのとうるさかったが、現在は見張りのアセナさんにビビって大人しくしている。


相変わらずアセナさんのガブリは最恐ですわ。


村の被害は家がいくつか破壊されたりしてしまったものもあるが、壊滅的な被害はなかった。


しかし村人が数人、犠牲になってしまったそうだ…


村の人たちが弔いをしている間になんでこんなことをしたのか盗賊たちに吐かせることにする。


わたしはアセナさんのガブリ攻撃で気絶している盗賊のお頭と思われる人をガルくんにデコピンで起こしてもらうことにした。


「姉御、全力でやっていいんすよね?」


うむ。許可する。


「よっしゃ!」


「〜〜〜っ!」


ガルくんのデコピンはとんでもなく痛いので、お頭(仮)はすぐに目を覚ますとおでこを押さえて地面を縦横無尽に転がった。


分かるぞその痛み。


余談だけど。

わたしはこのガルくんのデコピンを一度くらったことがあり、あまりの痛さに目の前のお頭と同じように転げ回って速攻で『ヒール』をかけた。


あの時は、本気でおでこが吹き飛んだと思ったもんだ…


しかし、お頭(仮)に『ヒール』はかけない。


そんなお頭(仮)の様子に抵抗することは諦めたのだろう。


目を覚ました盗賊たちは素直に色々話してくれた。



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