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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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アセナさんのお陰で大人しくなった外野を尻目に、子どもたちに話を聞くことにする。


どうして追われてたのかな?


「突然村を盗賊に襲撃されて逃げてたら、大きな狼が現れて…あの、ありがとうございました」


わたしの問いかけに応じてくれてたのは

この中で一番年上なのだろう、体は大きいが優しそうな雰囲気の熊耳のお兄ちゃんだった。


襲撃って…大人の人は?同じように逃げ出せたの?


「いえ、わかりません…ただ村の大人たちがみんなを連れて逃げろって…」


村はここからどれくらい?


「逃げるのに必死で…わかりません…」


アセナさんや。


"なんじゃ?"


子どもたちが来た道を辿るなんてことは…


"ふん。わらわにかかれば容易いことよ"


よっ!流石アセナさん!

そうと決まれば行動あるのみ!

シルバくんたちはわたしに言われるまでもなく、広げていた夜営道具をすぐさま片しはじめた。


「あの…ありがとうございます」


お礼はちゃんと村に着いてから。

レオくん、荷台には何人乗れそう?


「子どもばかりですから全員を荷台に乗せられると思います。ただ、私たちはアセナと御者台と馬に跨がることが前提ですが」


お馬様、そんなに人を乗せて大丈夫?


「スピードはそんなに出せないかもしれませんが、やってくれると思います」


そっか、お馬様よろしくお願いします。

わたしはそう言ってお馬様に『ヒール』をかける。


アセナさんや。


"なんじゃ?"


わたしと王城くんとガルくんの3人乗せるなんてことは…


"ふん。それくらい造作もないことじゃ!"


流石アセナ様!


"もっと誉めても構わんぞ!"


よっ!自称神の眷属!


"・・・もうよい"


えっ?そう?


「ユウリ様、お戯れ中申し訳ありませんが、さっさと荷台の荷物と夜営道具を仕舞っていただけますか?」


い、今やろうと思ってたところですー


「では今すぐお願いします」


やりますよ。やればいいんでしょ。

荷物をアイテムボックスに仕舞っていると地面に転がっている盗賊が目に入ってきた。


・・・忘れてた。

ねぇ、シルバくんこの気絶してる盗賊たちはどうしよっか?


「今回は連れていくには邪魔ですので、このまま縛って木に括りつけておきましょう」


えっ、逃げ出さない?


「その時はその時です。今はこんなのに構ってる暇はないかと」


わぉ、シルバくんたらスーパードライ。


「では連れていきますか?」


・・・確かに子どもたちだけならともかく、流石に盗賊まで連れていく義理なはいな。

ってことで放置していきましょう!




こうしてわたしたちは転がっている盗賊たちを木に括りつけると、襲撃されている村へと急いで出発したのだった。



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