171
さてと、これからも旅を続けると決まれば色々準備しなきゃいけませんな。
はいはい。いつまでも固まってないで旅に必要なものを買い出しに行くよー
そう言って、わたしは部屋を出る。
部屋を出たわたしはその場にうずくまった。
はぁ。なんかえげつないくらい緊張した。
でも、皆がまだ一緒に旅をしてくれることが嬉しすぎて顔がにやけてしまう。
さて、皆が来る前にだらしない顔を引き締めないと…
「そんなところで何をされているのですか?」
ビクッ!
お、思ったりお早いお出ましですね。
「ユウリ様…」
な、なにかな。
「顔がゆるんでおりますよ」
ばっ!
わたしは慌てて顔を隠す。
くそっ、間に合わなかったか。
「本当に、私たちは必要とされていたのですね」
シルバくんがしみじみと言う。
おやおや、信じられなかったのかな?
「いえ、そういうわけではないのですが…ユウリ様はその、あまり本心を見せてくださらないので」
あー、うん。それは、認める。
でも、今回ばかりは嘘はついてないよ。
だって、こんなわたしの面倒を見れるのは皆だけなんでしょ?
「「「「もちろんですっ!」」」」
自分から言っておいてなんだけど、そんな力一杯返事されるとなんか複雑。
・・・ま、いっか!
じゃ、ちゃっちゃっと買いものを済ませますかね。
わたしたちは最初に旅の道具を揃えた街でおばちゃんたちに揉みくちゃにされた。
訂正。わたし以外の皆が。
「おや!また来てくれたのかい!それに新しい子までいるじゃないか!急いで皆に連絡しなきゃね!」
おかげで立ち寄ったすべてのお店でおまけをいっぱいしてもらいました。
いやぁ、わたしは本当に皆と一緒に旅出来て嬉しいよ。
真っ白になる一歩手前の皆はそんなホクホク顔のわたしを恨めしげに見ていたことは気づかないフリをしておいた。
さて、色々あったけど明日はいよいよカーザに向かう。
久しぶりにゼロスさんとレイアさん、お姫に会えるのが楽しみだ。