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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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じゃ、皆とはここでお別れだね。


「・・・よろしいのですか」


皆が望んだことだからね。

咲来結織に二言はございません!


「わ、私たちがいなくなったあとはどうなさるのですか?」


まぁ、なんとかなるなる。


「しょ、食事や夜営は?」


大丈夫!わたしってば、やれば出来る子だから。


「と、盗賊に襲われたらどうするんですか?」


その時は封印されし風魔法をおみまいしてやるよ。


「ば、馬車はどうするんですか?」


おじいちゃんに返そうと思ってる。

温泉宿の建設とかに使えるだろうし。


「行き先までちゃんとたどり着けるんですか?」


人に聞きながら進むから大丈夫。

いざとなったら短期で人を雇えばいいしね。


「・・・です」


えっ?なんか言った?


「「「「ダメですっ!」」」」


・・・ん?


「なぜですか!なぜそんなにあっさりと認めてしまうんですか!」


えー、だって皆がもうお守りしたくないって言ったんじゃん。


「言いました。確かに言いましたけど、そこは引き留めるところではないのですか!?なぜそんなに簡単に受け入れてしまうんですか!?」


だって、そっちがお暇させていただきますって言ったからいいよって言ったから。

それなのに何故わたしが怒られなければならんのじゃ。


「そ、それは…」


・・・ふふふ。


お主らわたしの気持ちを試したかったのであろう。


「そ、そんなこと、するわけないじゃないですか…」


はいはい。

それで、わたしが必死に引き留めるとでも思ったんでしょ。


「で、てすから、そのようなことは…」


バカめっ!

わたしが気づかないとでも思ったか!


「くっ、」


「だから、やめようって言った」


「ユウリ様、私は反対したんです!」


「姉御がすがり付いてくるわけねーよなー」


ほうほう。

今回のこ茶番は、シルバくんの入れ知恵であったと。


「なっ!裏切るのですか!?あなたたちだってノリノリだったではないですかっ!」




ええい!だまらっしゃい!!




「「「「・・・」」」」


わたしの一言でギャーギャー騒いでいた皆が一瞬で黙る。


わたしというものがまだまだ分かっていなかったようだな、諸君。


わたしを試そうだなんて、100万年早いっ!


君たちには、厳しく恐ろしい罰が必要なようだな。


「「「「・・・」」」」


皆は死を覚悟したような顔で黙りこむ。


君たちへの罰、それは……




わたしとまだまだ一緒に旅を続けることだっ!





「「「「・・・」」」」


なんだ、恐怖で言葉もでないか!


「ユウリ様」


ん?なんだい?


「ユウリ様こそ、私たちを試しましたよね」


ほう、気付いておったか。

そう!わたしは皆を試したとも!


「威張ることじゃない」


え…フェルくんがツッコむなんて。


「ユウリ様も不安だったということですね」


「なんだ、お互い様かよ」


・・・・・


「それで、ユウリ様はどうされたいんですか?」


そ、それならさっき言ったじゃん。


「あれは罰ですよね。私たちはユウリ様のお気持ちが知りたいのですが」


ニヤニヤしている皆。


ふん。これで形勢が逆転したと思うなよ!


わたしは堂々と宣言してやる。





皆と一緒にいたいのでわたしと旅を続けてください。

よろしくお願いします!





「「「「・・・」」」」


てっきり、誤魔化すと思っていたであろう皆はわたしの素直な告白に固まってしまった。



してやったり。


ほら。わたしってば出来る子だって言ったでしょ?



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