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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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短かめです。

部屋を飛び出したところで行くところもないわたしは廊下の突き当たりに到達すると、折り返して部屋に戻った。


別に迷子になりそうだとか思ってないから。


気まずさから、そろりと飛び出した部屋の中を扉の隙間から伺う。


「気は済みましたか」


すぐにバレた。


別にちょっと走りたかっただけだし。


「そうですか。で、どうなさるのですか?」


どうって?


「私たちの処遇です」


あ、それね。

皆の好きにしたらいいんじゃない?


「と、言いますと?」


いや、だから好きにしていいってば。


「ハッキリ言っていただかないと分かりかねます」


そう言ったシルバくんや他の皆はニヤニヤしていた。


くっ、嫌な奴らだね。


旅を続けるも止めるも皆の意思で決めてください。


「はい。わかりました」


なんじゃ、この無駄なやりとりは。


「では、私たちはここでお暇させていただきます。」


えっ?


「やはり、私たちはにはユウリ様のお守りは荷が重いという話になりまして…」


ちょっ!?


「これから私たちは自分たちのやりたいことを見つけたいと思います」


わたしが飛び出したから戻ってくるまでのほんのわずかな間にそんな180度違う答えになったの?


「はい」


でも、さっきまでは着いてくるって…


「私たちの好きにして構わないのではなかったのですか?」


いや、それは、そうだけど。


「ユウリ様は私たちを煩わしく思っていたのではないのですか?」


ちがっ!そんなこと思ってない!

わたしがここまで来れたのも皆のお陰で、一人だったら今ここにわたしはいなかったと思う。


「・・・」


そりゃ、時々煩わしく思うことがない訳じゃないけど。


そこでわたしは気付いた。





本当はわたしが一番皆と一緒に居たいたんだということ

本音を直接聞くのが怖くて、皆の気持ちを試したということ





しかし、その気持ちに気づくのが遅すぎた。

今、皆は自分の道を歩むことを望んでいる。


これは今まで皆に甘えていた罰で自分が招いた結果だ。


最初からいつか解放してあげるつもりだったじゃないか。

本当なら、もっと早くに解放してあげるべきだったんだ。


せっかくみんなが打ち明けてくれた思いを、わたしのワガママで無しになんて出来ない。




わたしは皆の思いを受け入れることを決めた



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