表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
165/210

165

結局観察装置を破壊してケビンに説教を食らわすだけ食らわしてお城にカムバックした。


時間の無駄とはまさにこの事。


ただ、いつもわたしが召喚されたことについては触れられたくないような気がする。


今は話せないのか、今後も話す気がないのか…




どうでもいいな!




とりあえず観察装置は他の神様方の助けもあって破壊できたけど、今後虫さんには注意しておこう。


お城に戻ったあとは今後について帝国側と亜人さんたちが話し合うことになっている。


何故そんな事を知っているのか。


その話し合いに参加せねばならんのから。

中立の立場として居るだけでいいからと言われて渋々オーケーしたからです。



話し合いの場所は亜人さんたちが強制収容されていた村もどき。

解放されたからといっても住んでいた場所は襲撃の際に壊滅してしまって戻れないため亜人さんたちは今も村もどきに留まっている。


現在少しでも住みやすくするために急ピッチで村もどきの様々な施設を大工だったという茶山さんや英雄様方も参加して改修中だ。


わたしもアイテムボックスで資材を届けたりと微力ながらお手伝してたりする。

まだ一度しか運んでないけど。


そんなわけで色々と施設が十分ではないので今回は青空会談となった。


青空のもと木製のテーブルを挟んで亜人側と帝国側に別れて座る。



亜人さんたちの代表者はお城で一緒になったリーダーと多分ここで一番の年上なのだろ、かなりのご高齢と思われるおばあちゃんとお付きの若い子ちゃんの3名。


帝国側はムキムキの帝王様と文官と護衛の3名。

テーブルには3名だけだけど、少し離れたところに10人くらいの護衛の人たちが待機してる。


中立はわたしとシルバくんと緑木さん。


いやぁ、こんなおばあちゃんまで強制奴隷にするとか帝国ってば最低やな。


「返す言葉もない」


あ、別に帝王様を責めてるわけじゃなかったんどけど言い方が悪かったな。


「いや、止められなかったわしにも責任がある。まずはこの場を借りて謝罪させていただきたい」


帝王様は椅子から立ち上がると頭を下げた。


「今さらっ…!」


「おやめ」


勢いよく立ち上がったリーダーをおばあちゃんが静かに止めると帝王様に話しかける。


「帝王様。頭をお上げくださいませ」


おばあちゃんの言葉に帝王様がゆっくりと顔を上げ両者の目が合う。


「帝王様は我々との共存を望んでいらっしゃると伺いましたが」


「左様。これからは種族の隔たりがない国にするつもりである」


「そようでごさいますか。

しかし、我々の多くはそれを望んでおりません」


「っ!それはっ!」


「虐げられた時が長すぎたのでしょう。

我々の多くは人と関わることが恐ろしいのです」


「・・・」


帝王様は言葉を紡ぐことが出来なかった。



あー、すみません。

居るだけでいいって言われたけど発言してもよいですか?



「ああ、かまわん」


「どうぞ」


わたし的にもまだ帝国で亜人さんたちとの共存は時期尚早だと思います。


「理由を、聞いてもよいか」


えっと、帝王様のお付きの人たち、帝王様が頭を下げたことに不満そう見えました。

しかも一緒に謝罪しなかったし。


それって亜人さんたちに謝る必要がない思ってるってことだと思うんですけど、どうですか。


わたしの指摘に帝王様はお付きの人を見る。

2人のお付きは気まずそうにしていた。


その様子に帝王様は悟ったようだ。


今、共存を無理に押し進めれば必ず衝突する日がくることを。


「結局、わしに出来ることはないのだな」


力なく帝王様がつぶやく。


いや、出来ることはありますよ。

ね、おばあちゃん。


「どうやら、お嬢ちゃんにはお見通しのようだね」


お、お嬢ちゃん…

いや、確かにおばあちゃんから見たらわたしはお嬢ちゃんか。


「気にするところはそこではないと思いますが」



・・・・・



ゴホン。

話を続けましょう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ