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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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「ここにおられるのは聖母様である!」


おいシルバさんや。

大声でなんちゅうこと言ってくれちゃってんのかなっ!?


そこかしこから聖母様という声が聞こえる。


わたしはこの場をどうやって乗り切ろうかと頭をフル回転させる。


ポクポクポク、チーン。


・・・いやだめだ。なんにも浮かばない。

いつもなら何かしら浮かぶはずなのに今日に限って頭の中が真っ白なんですけど。


と、とりあえず皆さん顔、顔あげて。


わたしの言葉に人々が顔をあげる。


う、まぶしい!


顔をあげた皆は真っ直ぐで、純粋で、キラキラした瞳で、わたしを見ている。


やめて、そんな目で見ないで!

そんな目で見るようなもんじゃないから!


どうしていいか分からずパニックを通り越して無になったわたしにさらなる試練が襲いかかる。



それはまばゆい光とともに現れた。



"ユウリさーん!ご無事てすかーっ!?"




創造神降臨




・・・・・

終わった。なんか色々と終わった。



突然のことにその場にいたものは目の前の出来事を理解出来ずに固まった。


"急に連絡がとれなくなったので、あらゆる手段を講じて来ちゃいました"


お、おう心配してくれて、ありがとう。


"なんの!ユウリさんのためなら多少の犠牲は出ましたが些細なことです"


犠牲…


"大丈夫です。色んな神が過労でちょっと倒れたくらいですから!"


ケビンよ。


"はい、なんでしょう?"


それは、アカン。完全にパワハラや。


"神にパワハラという概念はないので大丈夫です!"


神様の世界の闇を垣間見たきがした。


えー、あー、そう!

英雄さんたちとは無事に合流出来て、なんやかんやあって帝国に乗り込んだんだけど。


"存じております。黒幕が呪術師であったことも"


その呪術師の正体やら、黒いもやのことも存じてたり?


"・・・はい"


やっばりそうか。でも今は説明はいいわ。


"えっ!?いいんですか?"


うん。今それどころじゃないから説明されても無理!

それよりさ…


"はい、なんでしょう?"


創造神の降臨がこんな軽い感じで面目が保てなくなったりしない?


"えっ?"


えっ?


"っ!!!"


ケビンが辺りを見回す。


"ヤバイ、ヤバイっ!降臨レベルいくつで来たっけ?!・・・ダメだ思い出せない。どうしよう、どうしよう!?"


一瞬でパニックになるケビン。


"こうなりゃぴかってやる?やっちゃう?"


ちょ、ぴかってなによ。

危ないもんじゃないでしょうね。


"危なくありません。某黒服サングラスのエージェントがよくやるやつです"


あー、あれね。・・・えっ、マジで!?

ぴかってやると記憶がなくなるやつ!?


"はい。ぴかってやると記憶がなくなるやつです。映画を参考に僕の力の全てを注ぎ作りあげました!"


創造神の無駄使い…

いやまてよ。それならわたしの聖母のくだりもなかったことにできるかも。


"え?何か言いましたか?"


ううん!やりましょう!

ちゃちゃっとやっちゃいましょう!


"ええ、そのつもりですけど。どうしたんですか?やけに乗り気ですけど…"


え、いや、映画の中のものが現実で見れると思うと興奮しちゃって。


"わかります!僕も造った当初は興奮して乱用しまくりまして。お陰で第1号は山の神に破壊されてしまいまして…"


そ、そうなんだ。


"そうなんですよ!これ造るのすごく大変なのに酷いですよね"


お、おう。


"おっと、すみません。ついつい話し込んでしまいました。では、ぴかってやりますよ。皆さーん!ご注目くださーい!"


どうしよう、山の神をはじめ他の神様方の苦労を考えると涙が…


"あ、ユウリさんはちゃんと目を瞑っておいてくださいね"


大丈夫。涙を拭うのに忙しくてとてもじゃないけど目を開けてられないから。


"それではまた教会で"



ぴかっ!!!



まばゆい光が部屋を照らした。





光が収まり目を開ければ、そこにケビンの姿はなかった。



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