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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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町に到着するとすぐに教会へと向かうことにした。


この1週間、ブラックシャドウからの報告も真新しいものはなくちょっと不安に思ってたりする。


ケビンさんや、おるかのぅ。


"はいはい、おりますよぉ"


ノリが良すぎる創造神てどうなんだろう。

ま、いいか。アセナさんに伝言は伝えてくれた?


"はい。ハンサは責任をもって面倒を見ると言ってました"


うん。確かにそれも重要だとは言ったけどね。

本来の目的ちゃんと覚えてるよね、大丈夫かなぁ。


"大丈夫ですよ。僕の眷属ですから!"


でもほら、アセナさんってちょっと天然なところあるし。

ケビンの眷属ってのがまた不安要素っていうかね。


"確かに天然なのは否定できないですけど、眷属であることが不安要素ってヒドイじゃないですか…念のために言っておきますけど、僕、創造神ですよ?"


はいはい。存じ上げてますよ。


"くっ、本当にユウリさんだけですよ、僕のことを適当に扱うのは"


えっ、崇め奉って欲しかったの?


"別にそういう訳じゃないですけど…もうちょっと優しくして欲しいっていうかなんていうか…"


キモチワルイ。

ちょっと何言ってるのか分かりたくないな。


でも頼りにしてるか色々お願いしてるわけで、それにこんなに気安く話せるのはケビンくらいだから、ついね。


"そうでしたね…いきなり異世界に来て大変な思いをしているって言うのに、自分が情けない…

ユウリさん!これからもそのままでいてください。そして、どんどん頼ってください!"


チョロいなケビン。


"ん?何か言いました?"


いや、そう言ってもらえて心強いなぁって。

ありがとう、ケビン。


"いえ、創造神として当たり前のことをしているだけですから(照)"


うん、そうだとしてもありがとう。

じゃ、早速だけど伝言をお願いしていいかな。


"もちろんです!どうせなら今から神託をおこなってやりとりしますか?"


え、できるの?


"つい一週間前にやったじゃないですか"


あー、あのドタバタね…

確かにリアルタイムで出来るならその方がありがたいけど。


"大丈夫です。あまり長くは話せませんが。善は急げ、早速始めましょう!"


そう言うと直ぐに連絡がとれたようで、ケビンがアセナさんに現状を聞いてくれる。


"ユウリさん、アセナは無事に手紙を届けて英雄たちを保護したそうです。現在は温泉地で休養中とのことです。"


マジで!?良かった!!

カーザまで一週間でたどり着くだけじゃなくて、無事に英雄たちを保護までするなんて、アセナさんやるやないか!


ケビン。アセナにお礼と、追っ手もいるから時間がかかってもいいから安全第一で無事に合流出来るようにって伝えて。


"分かりました。"


そう言ってケビンとアセナさんがやり取りする。


"明日にも教国に向けて出発するそうです"


オッケー。

基本的にわたしたちが旅した道を辿って来るように言ってくれる?


"承知しました。え?ふむふむ。なるほど。良く考えましたね"


おう、どうした。


"移動には狼たちに手伝ってもらうそうです。

他にも色々と伝えたいとは思いますがそろそろ限界です。最後に伝えることはありますか。"


狼たちの力を借りるなんて良く思い付いたもんだ。

アセナさんやるやないかパート2。


最後に本当に無理はしないように教国で会おうと伝えてもらって神託は終了した。


"アセナから『全てわらわに任せておけ。』だそうですよ"


うん、本当に心強いわ。

合流できたあかつきには思いっきり甘やかしてあげないと。


"そうしてあげてください。ではそろそろ、こちらも終了でよろしいですか?"


うん、ありがとう。本当に助かった。


"お礼なんていいんです。これくらいしか手伝えませんから。無事に合流出来るように祈ってます!"


そう言ってケビンは消えた。


いや、祈るって神様はお前だろうが。


アセナさんがずいぶん頑張ってくれてるようだからこっちも頑張らなきゃあきませんな。


まぁ、実際に頑張るのはお馬様なんですけどね…


皆にも無事に英雄たちを保護したことを報告する。

良かったと皆が安堵する中、緑木さんが泣き出した。


気丈に振る舞っていたけど不安で堪らなかったのだろう。

そっとハンカチを渡す。


こりゃ何がなんでも無事に合流しなきゃなと改めて気合いを入れ直し、わたしたちは教会をあとにした。




あ、緑木さん、ハンカチで鼻をかまないでもらえます?




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