表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
144/210

144

出発してから1週間。

わたしたちは共和国最後の町に到着していた。


この強行軍でわたしは今更ながらお馬様の凄さを実感していた。


前々から体力あるなぁとは思っていたが、この世界の馬はわたしの知っている馬の何倍も力持ちで、スピードはあまりないがそれを補うだけの体力お化けだった。


だってこの1週間ずっと走りっぱなしで、お馬様からしたら超ブラックな労働環境だろうとなと思ったら、レオくんいわく。


「この馬は3日3晩くらい余裕でぶっ続けで走れますし、重量も今の3倍くらいまでならいけますよ。」


っていうのだからシ○アもビックリだ。


そしてこの1週間。

御者が出来ないわたしと緑木さんは荷台でずっと一緒だったので色々と話すことができた。


まず召喚されたときの状況だが、コンビニでコーヒーを買おうとしていたら光に包まれて気づけば帝国だったそうだ。

どうやらそのコンビニに英雄たちが偶然にも集合していたとか。


ちなみにそのコンビニはわたしの家の隣にある。

っていうか、召喚のきっかけがコンビニってどうなのよ。


「僕もそう思います。その後は咲来さんもご存知の通り帝国でお世話になるんですが…」


そもそもそのお世話になるきっかけも自分たちの意思じゃなかったってわけね。


「そうなんです。その頃の記憶はもやがかかったようにハッキリしないのですが、3ヶ月くらい前からだんだんもやが晴れていったんです。」


それで帝国に居てもろくなことにならないと一人を除いて気付いたと。


「操られているフリをしながら脱出する機会を伺っていたんです。そんな時タイミング良く教国に行くことになって少し問題が起こるだろうからその間には3人には帝国を抜けてもらうことになっていました。」


問題が起こることは確定事項だったわけか。


「まぁ、実際彼は問題を起こしてくれましたから。」


それはいい笑顔で言うことじゃないよ。

で、途中までは良かったけど問題が発生したわけだ。


「本当ならどさくさに紛れて僕たちも教国で姿を消して逃げるつもりだったんですが…」


英雄くんが裏切った。ってところかな。


「はい。咲来さんと別れたあと彼が目を覚ましたあとにやられました。多分気絶させたことが気に入らなかったんでしょう。」


あー、なんか無駄にプライド高そうだったもんね。

そんでなんやかんやあって今に至るわけだ。

ちなみに帝国にいる間ってなにしたの?


「主に戦闘訓練ですね。こっちの意思がないことをいいことに能力を調べていつでも実践が出来るように訓練をさせられついました。お陰で人を気絶されられるようになったんですけど。」


コワッ。だからそれいい笑顔で言うことじゃないからね!

じゃ、魔法も使えたりする?


「僕の場合は風魔法が使えますね。」


ん?一つだけ?


「僕達英雄がそれぞれ使える魔法は一つです。ただスキルレベルはMAXです。」


なるほど、一つに特化してるわけか。

わたし英雄さんたちのこと結構うろ覚えなんだけど、メンバー構成ってどないなってます?


「そうですね。まず年は36才で僕が一番上で、あとは順番に29才,22,才17,才11才となってます。」


ちょっと待って、11才!?

いや、カーザで見たときに随分と小さい子がいるなとは思ったけど、マジで!?


「マジです。とても物分かりのいい子でどっかのアホの方がよっぽど手を焼きましたよ。」


本音がダダ漏れだね。

年長者じゃ、さぞ苦労したでしょう。


「ええ、それは、もう…」


あまりにも憔悴した表情になる緑木さんに、わたしはそれ以上聞くことが出来なかった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ