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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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さてと。


いい感じにまとまったところで聞きたいんだけど、帝国について知ってることを全部吐いてもらえるかな。


わたしは抱き締めていた腕に力を込めて、いい笑顔でそっくりさんたちに問いかけた。


わたしの変わり身の早さに着いていけないそっくりさんたち。


「兄さん達、こんなこで驚いていてはいけませんよ。」

「こんなのまだまだよ。」


うん、助言じゃなくて悪口にしか聞こえんな。

あと、なんで怯えてるのかな。

知ってることを話してくれるだけでいいから。

全然、怖くないですよー。


しかし、わたしの怖くないアピールもむなしく2人はずっとビクビクながら語ってくれた。


「今から3年前位だったと思います。僕たちの親の古い知り合いだと名乗る組立師が現れて、新たな魔道具の開発に誘われました。」


その頃、親御さんたちはそっくりさんたちを後継者として指名していたが、ロミジュリたちを代表者にした方が良いのではという話も一部から持ち上がっていた。


そっくりさんはロミジュリが後継者になるなんてありえないと思いながらも、自分達の後継者としての地位を少しでも確固たるものするためにその開発話に乗ってしまった。


「でも開発に参加して1年ほど経った頃、私達は新たな魔道具が武器ではないかという疑念を持ち始めたんです。」


もちろん2人とも20年前の事故のことはなんとなく知っていたが、明確に武器であることを言われたわけでないし、バレなければと大丈夫だと気づいていないフリをすることした。


しかしもし本当に武器だったらという思いが頭から離れず、開発とは少しずつ距離を取り始め今回が最後と決めて向かった開発の場には何時もいるハズの組立師はおらず、何度か見かけたことがある人物が中心にいた。


その人物は帝国からの使者で今まで開発を仕切っていた組立師に代わり今後は自分が仕切ると言って、今回の開発は帝国からの依頼であり、なんら後ろめたいことなどく、成功すれば帝国での地位を約束すると言った。


この時、組立師はもうこの世にはいないとその場にた誰もが思った。

何故なら使者の手には血の着いた剣が握られていたから。


「何かあれば次は自分達の番かもしれないという恐怖から、逃げ出すことも出来なくなってしまいました。」


そしていつしかそっくりさんたちは使者の指示に盲目的に従うようになり、今回のロミジュリのコロコロについてもすべて使者の指示で動いていたそうだが、3ヶ月ほど前からぱったり使者が現れなくなって現在に至るそうだ。


・・・


えーっと。

それって、マインドコントロールってやつじゃないの?

へたすりゃロミジュリの後継者の噂話も、なにもかも最初から仕組まれていた可能性がある。


そのぱったり現れなくなった使者が2度と現れなければ問題ないけど、たまたま長期で現れてない可能性もあるわけだ。


今のこの状況でまた現れたらまいっちんぐだな。


かといって、すぐにいい案も浮かばない。

どうしたらいいかと必死に考えていると、思わぬ来訪者がやって来た。


「私くでよければ力になります。」


その来訪者は、昨日大変お世話になったマダムで使用人に抱えられながら登場した。


えっと、大丈夫ですか?


「問題ございません。少し過呼吸を起こしただけですから。」


んん?


「話はすべて聞かせてもらいました。私が後見人となって責任を持ちます。」


んんん?

全然話が見えないんですけど。


?が飛び交っているわたしにマダムは爆弾を落としてくれた。


「聖母様、昨日はブラックシャドウの一員としてお会い致しましたが本日はこの国の王女として参りました。ご挨拶が遅くなり大変申し訳ございません。以後お見知りおきを。」


マダムの衝撃的なカミングアウトにより、ついにわたしは昨日今日の立て続けに起こった予想外の出来事にキャパオーバーをおこし、立ったまま気絶した。




評価・ブックマークありがとうございます!

とても励みになります。

これからも頑張りますのでよろしくお願いいたしますm(__)m

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