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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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「あら、ユウリ様。いかがなさいました?どうぞこちらへ。」


戻ってきたわたしたちをマダムは快く迎い入れてくた。

マダムがいったい何者か分からないがあんなことがあったのにこの対応。

本物の金持ちとはなんと懐が広いのだろう。


で、何故マダムのもとに戻ったか。

それはこれからしたためる手紙を届けてもらうためだ。


いくら英雄といっても全く町や村を通らずに何処かに行くことは出来ないはずだ。


しかし、この大陸は広い。


そのためブラックシャドウだけではカバー出来ない所も出てくるかもしれない。


そこでわたしの数少ない知り合いに情報の提供をお願いしようと考えたのだ。


手が痛くなるくらいたくさん書かないとけいないかもと覚悟していたが、ほとんどが連名になってしまって結果的にあまりにも少ない手紙の数にちょっとだけ凹んだ。


「これだけでよいのですか?」


う、はい。それだけでよいです。

でもまぁ、なんか顔の広い人ばっかりなような気がするので問題ない。ハズ。


「確かにお預かりいたしました。」


書き終えた手紙はマダムにお願いして、ようやくわたしたちはニイナさんのお店に戻ることになった。


屋敷を出れば日が暮れようとしていた。

なんて濃い一日だったんだ…


いろんな事が起こり、疲れ果ててお店に戻ればすでに夕飯の準備が出来ていた。


そう言えばお昼御飯を食べてなかったなと思い出せば、盛大にお腹がなったのでモリモリ食べましたけど、わたしの腹よ、ちょっと素直がすぎるぞ。


ま、これもまた生きてる証拠ってことで。


ご飯も食べてお風呂にも入ってあとは寝るだけと言いたいところだけど、明日こそは親御さんたちを襲撃しないと。

いつまでも先延ばしにしてていいことじゃないからね。


なのでロミジュリに一緒に行くか確認する。

いまだケンカ中ではあるが、2人の答えはイエスだった。


イチャイチャされるのも困るが、ツンケンしてるのもやりずらいなぁ。

でも、やいのやいの言わないと決めてるのでここはグッと我慢。


お家騒動は明日で決着がつけばいいんだけど。


まぁ、お家騒動が解決しても英雄のこととかまだまだ問題は山積みなんだと思うと、遠くを見ずにはいられなかった。


・・・もう今日は無理だ。何にも考えられん。


明日のことは明日のわたしにお任せして、ベッドに入ってソッコーで寝た。





夢でアセナさんとハンサちゃんの初対面の時の様子がリピート放送された。


一匹と一羽は無言で見つめ合うこと数秒。

何か通じるものがあったのかすぐに仲良くなった。


それはもう、わたしがキーッとハンカチを噛んで嫉妬するほどに。


結果的にハンサちゃんの定位置もわたしの肩からアセナさんの頭の上になってしまった…




翌日ジュリエットに起こされると、枕が濡れていて目がカピカピになっていた。


思ったより傷は深かったようだ。



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