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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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なんと!

PV100,000&ユニーク10,000&総合評価300突破しました!

皆様ありがとうございます。

これからも頑張りますのでよろしくお願いします!

翌日から地獄の日々が始まった。


わたしは修理に必要なものをアイテムボックスで運んでは、お子さんたちからこの世界にない魔道具のアイデアや家具などについて根掘り葉掘り聞かれていた。


みんなは二人一組で配達をしているのだが、配達先はおばちゃんがいるところばかりのようで、配達先から戻ったところをたまたま見かけたときに目が死んでいたので声はかけられなかった。


そんな中、ロミジュリだけはイキイキしていた。


流石に代表の子息というべきか組立師であるニイナさんの要望に次から次へと応えていた。


どうやらロミジュリは魔道具の組み立てを見る経験がなかったようで、自分たちの作ったものがどんな風になるのか楽しくてしょうがないようだった。


ただし、魔道具関係以外の会話は一切ないけどね。


わたしもアイデアを絞り出しながら時々作業を覗き見させてもらっていたが、魔道具の製作には組立師がかなり重要な役割を持っていることがわかった。


しかし、代表者は魔法派と職人派しかいないとはこれいかに。


その答えはニイナさんが教えてくれた。


「実はね、昔は組立派がトップでその下に魔法派と職人派がいたんだよ。だけど20年前に組立派で大規模な派閥争いが起きたのさ。」


派閥争いの原因は帝国から依頼された兵器の開発だった。


「組立派のほとんどは反対してたんだけど一部が開発を強行しちまってね、開発の途中で事故が起こって組立派だけじゃなくて魔法派と職人派を巻き込んで犠牲者が出ちまったのさ。」


この事故をきっかけに組立派がトップを降りて魔法派と職人派がトップとなり現在に至る。


ニイナさん詳しくありませんか?


「あたしのお師匠さんが事故が起こったときの組立派のトップだったからね。あの時はよく愚痴られたもんさ。アッハッハッ!」


えー。ニイナさんめっちゃ笑ってるけどまさかこんなかたちで20年前の事故の真相を知るなんて、ヨソウガイデス。


そしてやっぱりここでも出てきたな帝国さんよぉ。

もう、勘弁してくれぃ。


そんなこともありつつ、一週間後。

わたしが破壊した部屋の修理が完了した。


アイテムボックスにしまっておいた使える家具などを戻し宿屋の主人に報告すれば大変喜ばれた。


だって、前よりキレイになったもん。

そりゃ嬉しいわな。


ちなみに完了した時わたし達は泣きながら抱き合い、心のそこから完成を喜んだ。


だってわたしは初日に荷運びをしたあとはずっーとお子さんたちから一日中質問責だったし、配達をしていたみんなからは生気が抜けていって真っ白になる寸前だった。


そんな中やはりロミジュリだけがイキイキ、ツヤツヤしていたけどね。


流石にこの状況で親御さんたちのところに乗り込むのは無理と判断して、1日休養をとるついでにこの町にいるブラックシャドウに会いに行くことにした。


本当はもっと早くに行くはずだったのだが仕方あるまい。


店に残っていると配達をお願いされるかもしれないとみんなが恐怖していたので、今回は全員で向かうことにした。


わたしも、もちろん残るのは勘弁。

また質問責めにあう未来しか思い浮かばないからね。


ブラックシャドウの拠点に向かう道すがら、十数メートルおきにおばちゃんたちが声をかけてきては何かしらみんなに渡しては去っていくという現象が起こった。


二桁にのぼるおばちゃんたちのプレゼントはマジでアイテムボックス無かったらえらいこっちゃな量でしたよ。


みんな随分とたくさん配達したんだね…

笑顔でプレゼントを受け取っているみんなの目には光がなかった。


そんな感じでおばちゃんたちからのプレゼント攻撃が終り、たどり着いた場所はとんでもない大きさのお屋敷だった。


うん、本当にここでいいのかな。


入り口には呼び鈴らしきとっても装飾の凝った鐘。

これを鳴らすの?大丈夫?怒られない?


「多分、大丈夫なはずです。」


おう。随分と曖昧なお答えをありがとう。


や、やるよ。


カーンッ!


「はーい。どちら様でしょうか?」


思いきって鐘を鳴らせば出てきたのはかわいらしいメイドさん。


えっと、あの、わたしたちブラックシャドウの紹介で…


「はい。伺っております。どうぞ。ご案内いたします。」


そう言ってメイドさんに案内され着いたのはながーいテーブルが鎮座するバカ広い部屋。


そしてテーブルの奥に座っていたのは一人のマダムともう一人。

そのマダムの横に座るもう一人の人物にわたしは見覚えがあった。





その人物はゆみちゃんだった。



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