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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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わたしの目の前にはまっさらな空間が広がっている。


「お疲れ様。思ったより早く片付いたね。それにしても、アイテムボックスをそんな風に使うやつを始めてみたよ。」


掃除はゴミをある程度集めてはアイテムボックスにぶち込むという方法でもくもくと進めて夕方には片付いた。


アイテムボックスの使い方としては常識外だろうがそんなの関係ねぇですよ。

使えるものはなんでも使わないと。


掃除が完了してニイナさんと一緒にお店に向かうと、ロミジュリは目が覚めていた。


お互いに会話もなければ目も合わせないという状況で。


「ユウリ様、お疲れ様でございました。一応、ロミーナの記憶が戻ったことはジュリアンに伝えてはあります。」


うーん。こればっかりは周りがやいのやいの言ってもどうにもらないからな。

とりあえず記憶うんぬんは置いといて、2人にはこのままわたしたちと一緒にいるか親御さんたちの元に帰るかその意思を確認する。


「僕はここにいたいです。」

「私も戻るつもりはないわ。」


わかった。

わたし達、これから倉庫でお世話になるんだけどそれでもいい?


「「大丈夫です。」」


じゃ、遅くなったけど色々話を聞こうか。


「皆さんと別れたあと、集まった住民の人たちには解散してもらって実家に戻らず会議場に行くことになったんです…」


そこでロミジュリは聞かされていなかったこの駆け落ち作戦の真実を知る。


この作戦の真の目的はロミジュリの双子の兄姉で真の跡継ぎであるそっくりさんたちが良くない連中と親御さんたちの失脚と、跡継ぎを確固たるものにするため目障りなロミジュリをコロコロしたがってる証拠を掴むために仕組まれたことだった。


ちなみに良くない連中とは20年前に勝手に兵器開発をして事故を起こした連中だそうです。


ロミジュリはこの作戦が不穏分子のあぶり出しと言うことだけは聞いていた。


しかし、実際は実の兄姉にコロコロしたいと思われるほど疎まれていたということ、またコロコロされかねない状況で実の親に囮にされたという事実だった。


この事実に2人はショックを受け、怒り、そして命の危険を感じた。


もう誰も信用できない。


自分たちに味方はいないと思ったが、その時に脳裏に浮かんだのがわたしたち。


そして藁にもすがる思いでわたしたちのもとに突撃してきたということだ。


いやぁ、話を聞いて思ったんだけど君たち身内なのに知らなかったことが多いな。おい。


「私達自身も驚いているの。」

「僕達がなぜこんなにも疎まれているのか全く理解できないんだ。」


うーん。

ロミジュリの話だけじゃ何とも言えないなぁ。

やっぱり、親御さんたちやそっくりさんたちと一度話さないと。

2人だって聞きたいことあるでしょ?


「それは、そうなんだけど。」

「でも、話を聞くのが怖くて…」


ま、宿の修理が終わるまでわたし達は動けないから、その間に自分たちがどうしたいのか今一度考えてみなよ。




ちなみにその修理だが、終わるまで一週間はかかるとのことだった。


わたしは修理に必要な資材の運搬とニイナさんとサクヤさんからの質問攻めに答えるのが仕事となった。

みんなはニイナさんのお店の手伝いとして、街の色んなところに荷物を配達する仕事をすることになっている。


ロミジュリについては何もせず留守番は色々不安なのでニイナさんに相談したところ、魔道具の作成を手伝うことになった。


夕飯を食べ、お風呂に入ってベットに横になりながら考える。

3秒でスヤァしないときもあるのです。


なんか、実はただのお家騒動に巻き込まれてるだけな気がするけど、コロコロされかけた身としては看過できない。


たとえ本気ではなかったとしてもある程度落とし前はつけてもらわないとね。


隣のベッドで寝ているロミーナを見ればの目に光るものが見えた。

音をたてないようにベットからぬけだし、光るものをそっとタオルで拭き取って自分のベットに戻る。


全部がいい感じに丸く収まればいいんだけど。



まぁ、あれこれ考えても答えがでない問題は今は置いておいて、まずは明日からの修理を頑張りますかね。




誤字報告ありがとうございます。

もう、お恥ずかしい限りです。

またお気づきの際はご指摘いただければ幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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