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いつのまにやら聖母様  作者: 芍薬百合子ぼたん鍋
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私が発動した白魔法について色々質問されたが、結局何も答えられなかった。


そもそもそういうことも含めて色々教えてくれる人が欲しくて奴隷商店にきたんだから、無理ってもんです。


お父さんとアリサちゃんは私が常識的なことを知らないことを思い出したようで、もう質問してこない。


異世界に召喚されたときなみたいな何とも言えない空気が漂った。


この空気本当に辛いんですけど…


とりあえず、せっかくイケメンたちと意思の疎通ができるようになったので契約について確認することにする。

別に空気に耐えられなかったわけではありません。


私が怪我を治すために一方的に契約してしまったので、このまま契約してくれるならありがたいが2人が納得いかないと言うようであればすぐに解放してあげようと思う。


お父さんにお店の一角をお借りして、まずはお互いに自己紹介をすることにした。


まず、リアルワンコ系イケメンから。


「名前はフェルディナン。」


彼は犬の獣人で18歳だそうです。20代前半くらいかと思ってた。10代とかめっちゃ若いね。


次に美少年イケメン。


「私の名前はシルバと申します。」


次の彼はハイエルフで200歳だそうです。マジか。見た目17,8歳くらいなのに超絶年上だった。

異世界は見た目と年齢が一致しないことが多いな。


リアルに若いのと見た目若いのと一緒で、私捕まったりしないかちょっと不安になったけど、特に誰も何も言わないからスルーしておく。


2人とも色々あって現在各国を旅しているそうで、旅の資金を稼ぐために、流れの奴隷としてこの街に滞在中だったらしい。


2人は腕にそこそこ自信があり、町の外に出る魔物の駆除の依頼を受けていたのだが、先日この辺では滅多にお目にかかれない大物が出たそうだ。


本来はそこまで手こずる相手ではなかったが、今回は仲間に恵まれなかった。


パニックになった仲間たちに魔物の囮にされてしまったそうで、2人でなんとか魔物を倒したが、ズタボロになってしまったらしい。囮にした仲間とは別の仲間に紹介元であるこの奴隷商店に運ばれて現在に至るというとだった。


「まさかあんな大物が出るとは思わず、油断しておりましたが店まで運んでいただけて我々は運が良かったです。」


いやいや、そこは病院に運ぶところだから。

ちなみに、その囮にしたやつらは絶対に赦さん。


最後にわたしの番。

わたしは異世界から召喚されたことと年齢を伏せて話をした結果。


物凄い田舎から知らない間に連れてこられて、しかも記憶喪失になったようでわからないことだらけけで困っている。という色々ツッコミどころ満載の設定になってしまった。


「それは、大変。」

「さぞ、ご苦労をされたでしょうね。」


しかし、そんな嘘臭さしかない設定を彼らは信じた。

ピュ、ピユアホワイツ!


「しかし、そんなことはすべて些細なこと。

貴方が私たちの恩人であることにはかわりありませんから。

私たちでよければ、ご一緒させてください。」

コクン。


本当にいいの?

だって、勝手に契約しちゃったし…


「実は怪我の具合はかなり深刻な状況で、死を覚悟しておりました。ですから、感謝こそすれ勝手なことだとは微塵も思っておりません。」

コクン。


2人とも色々辛いことがあったのにそれでもこんなに優しいなんて…

恨み言の一つや二つ言われるかもしれないと思っていたわたしはその優しさに泣いた。


急に泣き出した私に2人は慌てていて、その様子がまた可愛いなと思ったけど口に出したりはしませんでしたよ。


無事?自己紹介も終え、これからのことを話すことに。


出来るだけ早く町を出たいと言った私の意見を尊重してくれて、これからすぐに旅に出るための準備をするこになった。

2人とも元々旅をしているし、この町に未練はないそうです。


ですよね!


そしてついに私はアリサちゃんとお父さんにお礼を言って、2人のイケメンを携え奴隷商店を後にした。




あ、ちなみに2人との契約金は合わせて金貨1枚でした。




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